世界4位メドベージェフが“かつての天敵”シモン氏を招聘!米インディアンウェルズ大会から期間限定で帯同する見込み<SMASH>

男子テニス世界ランク4位のダニール・メドベージェフ(ロシア/28歳)が、自身のアドバイザーとして2022年11月に現役を引退した元世界6位のジル・シモン氏(フランス/39歳)を期間限定でチームに迎え入れたことが明らかになった。フランスのテニス専門サイト『We love tennis』の他、複数のメディアが報じている。

今回の新タッグは多くのファンから注目を集めそうだ。というのもシモン氏の現役中に両者は過去4回ツアーで対戦しているのだが、そのうちメドベージェフが勝利したのは22年6月の「リベマ・オープン」(オランダ・スヘルトーヘンボス/ATP250)2回戦の1度のみ。

すなわち“かつての天敵”を招聘するという珍しい試みとなるわけだ。現役時代にとにかくよく粘るラリーで“沼”の愛称でも親しまれたシモン氏のサポートは、メドベージェフの最大の武器である粘り強さにさらなる磨きをかけるかもしれない。

実はメドベージェフは1月に行なわれたシーズン最初の四大大会「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン)の決勝でヤニック・シナー(イタリア/現3位)に2セットダウンからの大逆転負けを喫した直後の記者会見で「今回の負けが今後のトーナメントないしはシーズンに影響を与えないよう、自分自身で気持ちを保ちながらできる限りのことをやっていきたい。本気で努力するつもりだ」と決意を語っていた。おそらくこの時からすでにシモン氏とはコンタクトを取っていたのだろう。
冒頭で述べた通りシモン氏の立場はあくまでもアドバイザーにすぎないため、17年から続いているメドベージェフとジル・セルバラ氏(フランス/43歳)のタッグに過剰に介入することはないという。

なお『We love tennis』によるとシモン氏を加えた新チームがスタートするのは3月6日より開催されるマスターズ1000大会「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ)の予定で、現状契約期間は10週間(約2カ月半)となる見込みだ。

ただしメドベージェフは全豪以降、疲労の蓄積と右足の負傷でツアー大会には出場しておらず、ディフェンディングチャンピオンとして参戦予定だった今週の「カタール・エクソンモービル・オープン」(2月19日~24日/カタール・ドーハ/ATP250)も欠場。

現状では同じくタイトル防衛を狙う来週の「ドバイ選手権」(3月14日~20日/アラブ首長国連邦・ドバイ/ATP500)もプレーできるかどうかは微妙な状況で、先述の新チームのスタートもインディアンウェルズより後になる可能性は否定できない。

予定通りインディアンウェルズでシモン氏とのコラボレーションが見られるよう、メドベージェフの1日も早い回復を願うばかりだ。

文●中村光佑

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