【サウジカップ/馬連7点】想定1人気は“ムラ駆け”傾向でマイナスか 「実力伯仲も波乱含み」

サウジカップ2024_枠順

日本時間24日深夜、サウジアラビアキングのアブドゥルアジーズ競馬場にて、世界最高賞金を誇る一戦・サウジカップ(GI、ダ1800m)が行われる。

昨年は、パンサラッサが日本調教馬として初めて制し、話題を呼んだレースが、今年から日本国内で馬券発売を開始。それに合わせるかのように、国内ダート最強馬2頭を含む、5頭の日本調教馬が参戦し、ダート大国の米国勢や地元サウジ勢と相まみえる。今年、ビッグマネーを掴むのはどの馬か―。

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■世界1位よりも充実一途の米国4歳馬が上位

過去4回行われたサウジCの勝ち馬は、米国、英国、サウジアラビア、日本がそれぞれ1勝ずつ分け合っているが、4年連続で米国勢が連対を果たしており、ダート大国の米国勢には一目置かなければならない。そんな中、現在ダート部門で世界ランク1位タイのホワイトアバリオは、外せない1頭だ。

昨年のブリーダーズCクラシックでは、好位追走から直線では早めに先頭に抜け出し、後続に1馬身差の快勝劇。ケンタッキーダービー、ホイットニーSを含め、GI3勝の実績はメンバー中上位の存在。今年に入り、サウジアラビアのオーナーが同馬の権利の一部を取得しており、地元でお披露目という意味でも負けられない一戦だ。

しかし、サウジCは実力伯仲も波乱含みのレース。過去4回における英国オッズで1番人気の馬は、第1回のマキシマムセキュリティは勝利したものの、それ以降は4、14、8着と結果を残せていない。また、勝ち馬はすべて父ミスタープロスペクター系で、同馬は父エーピーインディ系。その成績は2着2回と連には絡んでいるものの、やや割引材料。ケンタッキーダービー16着やペガサスワールドC8着など、ムラ駆けの傾向もあり、実績や人気ほどの信頼は置けない印象だ。

それならば、充実一途のナショナルトレジャーを上位に考えたい。昨秋はブリーダーズCダートマイルにおいて、エクリプス賞年度代表馬で世界ランク1位タイのコディーズウィッシュとハナ差の接戦を演じて2着に好走。今季初戦のペガサスワールドCでは、ハイペースの展開で2番手から早め先頭で押し切る強い勝ち方で、GI2勝目をマークした。

過去4回の勝ち馬は、いずれも逃げ・先行の脚質の馬が勝利を飾っており、前めにつけて押し切る展開ができることが勝利へのポイント。加えて、父ミスタープロスペクター系という点も血統面から後押しできる。

■日本からは海外で結果を残した2頭を抜擢

5頭が参戦する日本勢からは、昨年のドバイWCに続く海外GI2勝目を狙うウシュバテソーロが筆頭格だろう。すでに世界の強豪を相手に戦えることは証明済みで、暮れの東京大賞典では、強烈な決め手を繰り出して快勝。7歳を迎えたが衰えは見られず、末脚には磨きがかかっている。

懸念点は、ブリーダーズCクラシック時のように後手を踏んだり、展開面で不利になること。今回はワンターンの1800mで、後方勢には厳しい流れになりやすい傾向なだけに、差し脚が活かせない可能性もある。ただ、今回のメンバーは前に行きたい馬が多く、ハイペースが見込め、同馬に展開利がありそう。少なくとも馬券の買い目には入れておきたいところだ。

昨年のフェブラリーSとチャンピオンズCを制し、JRA賞最優秀ダートホースに輝いたレモンポップ。昨年はドバイゴールデンシャヒーンに挑戦も、適距離ではない1200mへ対応できず、キャリアで唯一の大敗を喫した。今年はサウジCで海外初勝利を狙う。

近2走は逃げて結果を残しており、ここもスンナリ前へ行ければ、力を存分に発揮できそう。ただ、チャンピオンズCを勝っているものの、1800mは微妙に距離が長いか。さらに、アイソレートサウジクラウンなど、逃げ候補が多いメンバー構成で、早めに競られたり、ペースが速くなりすぎると、最後まで持たない可能性もありうる。

海外で一日の長があるのがデルマソトガケ。昨年は中東から米国と転戦し、UAEダービー制覇、ブリーダーズCクラシック2着と、世界の強豪と互角の戦いを演じてきた。とりわけ、前走のブリーダーズCクラシックは、前哨戦と考えていた日本テレビ盃を一頓挫があって回避し、順調に行かなかった中での2着は立派。もし予定通りなら、ホワイトアバリオを破っていたかもしれない。

今回も輸送中に機内でアクシデントがあったと伝えられ、完璧な状況ではないかもしれないが、好位から運べるクレバーな戦術で、直線では着実に伸びてくる確かさは魅力的。逆転の目も十二分にありそうだ。

■波乱の使者は、人気薄の米国勢と地元サウジ勢

馬券の中心はナショナルトレジャー。米国3冠レースの一つ、プリークネスSを制しており、前走の勝ちっぷりや1800mもベストディスタンス。管理するB.バファート調教師は、サウジCで3年連続連対中と相性も良く、ここへの力の入れようは他陣営よりも上とみる。

相手筆頭は世界ランク1位タイのホワイトアバリオと、海外経験の豊富さが活きるであろう日本のウシュバテソーロ、デルマソトガケを厚めに。レモンポップは力は認めつつも、距離や展開面など不安材料も多く、日本で馬券が発売される以上、上位人気は確実なので妙味ほどの信頼感はないとみてバッサリ消す。

過去の傾向から荒れ模様の一戦だけに、人気薄の米国勢にも注意を払いたい。特にセニョールバスカドールは、前走のペガサスワールドCで、後方から強烈な決め手でナショナルトレジャーにクビ差の2着と接戦を演じた。脚質的に展開に左右されそうだが、ハマった時の末脚には見どころがあり、連候補として加えておきたい。

また、地元サウジアラビア勢が、英国オッズで2桁人気ながら、2021年3着、22年1着と、波乱の立役者となっており、軽視するわけにはいかない。特にディファンデッドは昨秋までB.バファート調教師の管理馬で、米国でオーサムアゲインS、ハリウッドゴールドCと、米GI2勝を挙げており、押さえておきたい1頭。そのほか、カーメルロードパワーインナンバーズも、大レースは初めてだが、地の利を活かした激走に注意を払いたい。

◎(9)ナショナルトレジャー
◯(14)ホワイトアバリオ
▲(13)ウシュバテソーロ
△(4)デルマソトガケ
△(12)セニョールバスカドール
△(3)ディファンデッド
△(1)カーメルロード
△(10)パワーインナンバーズ

馬連流し(7点)
軸:9
相手:14、13、4、12、3、1、10

◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。

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