敬信湿地の渡り鳥、付近の村民の増収後押し 中国・吉林省琿春市

敬信湿地の渡り鳥、付近の村民の増収後押し 中国・吉林省琿春市

20日、敬信湿地で空を舞うハイイロチュウヒ。(長春=新華社配信/高飛)

 【新華社琿春2月23日】中国吉林省延辺朝鮮族自治州琿春(こんしゅん)市に位置する敬信湿地では二十四節気の「雨水(うすい)」を迎え、北へ帰る渡り鳥が多数飛来して壮観な風景を作り出している。オジロワシやオオワシなど希少な鳥類を目当てに全国各地から写真愛好家が集まり、「観鳥経済(バードウォッチングエコノミー)」の熱は高まり続けている。

 同湿地の竜山湖畔では、カメラを手にした写真愛好家が一列に並び、渡り鳥が生き生きと舞う瞬間を捉えようと次々にシャッターを切る姿が見られた。野生動物への影響を防ぐため、撮影は数十メートル離れたカムフラージュ型撮影施設から行われている。

敬信湿地の渡り鳥、付近の村民の増収後押し 中国・吉林省琿春市

20日、敬信湿地に広がる竜山湖の凍結した湖面で、戯れたり休んだりするオオワシとオジロワシ。(長春=新華社配信/高飛)

 琿春市は図們江(ともんこう)下流にあり、国内で唯一の中国、ロシア、朝鮮の国境に位置する口岸(通関地)都市。敬信湿地は長白山森工集団が管轄する重点国有林区に位置し、中国とオーストラリア、中国と日本を通る2本の渡り鳥飛行ルートが交差する。河川や湖が連なる同湿地は、渡り鳥飛行の「五つ星の宿駅」と呼ばれている。

 渡り鳥の「生態学的流量」により、付近の村ではバードウォッチングエコノミーが静かに成長し始めている。飲食業や宿泊業、特産物販売などのサービスを始めた村民も多く、同市九沙坪村に住む肖建華(しょう・けんか)さんは、「1週間にわたって滞在する宿泊客もおり、1年でかなりの増収が期待できる。鳥が増えたことで人も増え、生活も向上した」と話している。(記者/邵美琦)

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