米国初の大型沖合風力発電、3万世帯に送電 さらに能力拡大へ

[22日 ロイター] - 米国初の大型洋上発電事業「ビンヤード・ウインド」を手掛ける合弁企業は22日、マサチューセッツ州沿岸沖のタービン5基から、3万世帯に十分な電力を供給していると明らかにした。

今回の発表は、ビンヤード事業など、米国で始まったばかりの洋上風力産業にとって、重要な節目となる。洋上風力産業は、コスト高と遅延に見舞われてきた。風力セクターは、バイデン大統領が目指す電力部門の脱炭素化と気候変動対策の実施において極めて重要な要素になる。

同事業を手掛ける米アバングリッドとデンマーク企業の合弁企業によると、ビンヤードは、ニューイングランド地方の電力網に68メガワット(MW)の電力を供給している。ビンヤードでは62基の風力タービンを設置する予定で、完成すれば、806MWの電力供給が見込まれている。これは、40万の一般家庭や企業に十分電力供給できる水準。

マサチューセッツ州のモーラ・ヒーリー知事は、「これは、クリーンエネルギー移行における転換点になる。長年にわたる調査などを経て、最終的に建設された。米国の洋上風力発電産業は、夢から現実へと変わった」と語った。

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