【新築一戸建て】必要なかった設備ランキングが我が家に当てはまらない理由

2階のトイレやシステムキッチンなど

「注文住宅を建てる際に設置したが、実際に生活してみると必要がなかった設備ランキング」という体験談を見かけることがあります。

くらしとお金の経済メディア「LIMO」でも体験談を募集しましたが、以下のような回答が集まりました。

  • 広いキッチン
  • 2つ目のトイレ
  • オール電化
  • 勝手口
  • ベランダ

しかし人にはそれぞれ「快適な家」があるように、便利な設備や必要な設備、こだわりの設備なども人によって異なるものです。

大切なことは自分が使いやすくて心地よく過ごすことができることなので、自分のライフスタイルや趣味趣向にあったものを選択することが重要になります。

春に向けて、住まいを考えている方も多いでしょう。

そこで本記事では、それぞれのライフスタイルに合わせた住まいづくりのコツを紹介したいと思います。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

システムキッチン選びのポイントは?

システムキッチン選びのポイント

システムキッチンについては、キッチンカウンターの形状や材質、間口・奥行きの寸法、天板の高さなどが選択のポイントになります。

それぞれ目安になる基準がありますが、人によって個人差があるもの。キッチンメーカーのショールームなどで、実際の使い勝手を事前に必ず確認しておくことが大切です。

さらにキッチンにはビルトイン食洗機やタッチレス水栓、昇降式吊戸棚、浄水器といったオプション設備があります。

ビルトイン食洗機は汚れた食器を自動で洗浄、乾燥してくれるので非常に便利な機器ですが、食洗機に入れる前に予洗いが必要になる場合があることや、洗浄や乾燥に時間がかかるので、あまり使用しなくなってしまうことがあります。

タッチレス水栓はセンサーに手をかざせば水を出したり止めたりすることができて便利ですが、温度や水圧の調整は手動で行わなければならないので、設置したことを後悔している人も少なくありません。

昇降式吊戸棚は、背の低い人でも吊戸棚を電動または手動で目元の高さまで降ろすことができるので、簡単に吊戸棚の中のものを取り出すことができます。

一方で棚が動くようにするので、通常の吊戸棚と比較して収納率が3割程度減ってしまうのがデメリットになります。

システムキッチンに取り付ける浄水器には水栓一体型(カートリッジ内蔵型)のものやビルトイン型(アンダーシンク型)などがあります。

いずれも定期的にカートリッジの交換が必要になります。

したがってこれらのオプション商品は、実際に設置してみると思ったほど使用していないという方がいるのも事実です。

しかし使い方次第ではシステムキッチンの機能を活かしてより便利にしてくれるものなので、事前に本当に必要なものなのかどうかを良く検討することが重要です。

2階にトイレは必要か?

近年の住宅には、1階と2階にそれぞれトイレがあることが多くなっています。

2階にもトイレがあることのメリットは主に次の2つです。

朝は通勤や通学の時間が家族の間で重なってしまいがちなので、家族全員がトイレを利用するためトイレ渋滞が発生してしまいます。

2階にもトイレを作ることで、毎朝のトイレ渋滞を解消することができます。

そして2階に寝室がある場合には、1階にしかトイレがなければ夜中にトイレに行く時に寝ぼけて階段から落下してしまうことにもなりかねません。

またトイレに行くのがつい面倒になって我慢したために、眠りが浅くなってしまうこともあるでしょう。

こんな場合でも2階にもトイレがあると非常に便利です。

そして来客があった場合にも、トイレが2か所あれば気軽に利用してもらうことができます。

一方、トイレが1か所だけの場合には建築費を抑えることができると共に、掃除の手間を省くことができるメリットがあります。

2人家族の場合にはトイレが1か所だけでも特に問題ありませんが、4人家族以上であればトイレが2か所あるメリットの方が大きいように思います。

また必要に応じて将来トイレを増設することができるように、新築時にあらかじめ配管工事のみを行っておき、押し入れなどのスペースをトイレに容易に変更できるようにしておく方法もあります。

オール電化は必要か?

調理や空調、給湯などの熱源をすべて電気でまかなうことができるオール電化住宅は近年増加している傾向があります。

  • 電気・ガスの基本料金を一本化することができるので光熱費の削減につながる
  • 電気代が安く設定されている夜間にエコキュートでお湯を沸かしてタンクに貯めておけば、電気代を抑えることができる
  • 熱源を持たないためガスと比較すると安全性が高い(火災の心配が少ない)

などのメリットがあります。

一方、オール電化向けの料金プランは夜間の電気代は安いものの昼間の電気代は割高になる、エコキュートや蓄熱暖房機などの導入コストが高額になる、停電が発生するとすべての家電が使用できなくなるといったデメリットがあります。

したがって昼間に使う電気が少ないご家庭や、太陽熱発電を導入しているご家庭などはオール電化のメリットが非常に大きくなりますが、日中にエアコンなどの家電を多く使用するご家庭では割高の電気代で使用することになるので、オール電化のメリットを十分に活かすことができません。

オール電化を検討する際には、ご家庭の生活スタイルや太陽光発電、蓄電池の併用を含めて検討することが大切です。

住宅に必要な設備は家庭で変わる

国土交通省の「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると、住宅の選択理由として「住宅のデザイン・広さ・設備等が良かったから」を挙げる方は37.2%となりました。

しかし住宅に必要な設備は、その家に住む方の家族構成や生活スタイル、趣味趣向といったもので変わります。

したがってマイホームに必要な設備を検討する際には他の人の体験談などを参考にしながら、最終的には「自分たちの理想の暮らしとはどのようなものなのか」を明確にした上で、具体的にリストアップすることが大切です。

決して周囲の意見に惑わされないようにしましょう。

参考資料

  • 国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査報告書」

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