『GTOリバイバル』池内博之、窪塚洋介、小栗旬ら再集結に歓喜 当時の生徒はどんな姿に?

「POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は~」のイントロを聴くと、初めて『GTO』(カンテレ・フジテレビ系)を観たときの興奮がよみがえる。元暴走族の高校教師・鬼塚英吉を演じる反町隆史のカッコよさ。思春期の生徒たちが持つ悩みに寄り添い、つまらない世界をぶち壊してくれる姿を見て、「こんな先生がいてくれたらなぁ」と憧れを抱いたことを思い出す。だからこそ、“あの”鬼塚が帰ってくると知ったときは、本当にうれしかった。

カンテレ・フジテレビ開局65周年特別番組として放送される『GTOリバイバル』。放送日の4月1日が待ち遠しくてたまらないなか、わたしたちをさらにワクワクさせるサプライズが発表された。なんと、1998年版の『GTO』に出演していた池内博之、山崎裕太、窪塚洋介、徳山秀典、小栗旬、藤木直人が、一夜限りの再集結を遂げることになったのだ。四半世紀ぶりに鬼塚に会えるだけでも胸の高鳴りが収まらないのに、こんなに贅沢なことがあってもいいのだろうか。

まず、鬼塚の親友で元不良の警察官を演じていた藤木直人。最近は、『姉ちゃんの恋人』(カンテレ・フジテレビ系)や、『ボクの殺意が恋をした』(読売テレビ・日本テレビ系)など一歩離れたところから主人公を見守るメンター的立ち位置の役柄を演じることが多いが、26年前に『GTO』で演じていた冴島は、ちょっぴりお調子者なところがあるキャラクター。いまの藤木が、冴島をどう演じるのかが楽しみだ。

そして、かつての鬼塚の教え子だった5人。池内が演じていた村井は、坊主頭が印象的で、生徒たちのなかでいちばん怖い目つきをしていたのを思い出す。教師イジメをして日々の鬱憤を晴らしていた村井は、鬼塚との出会いにより更生した人物といっても過言ではないだろう。さらに、鬼塚が担任を務める2年4組のキーマンだった菊池を、窪塚が演じる。天才児であるがゆえに早熟な発言を連発していた菊池は、44歳のいまは年相応な大人になっているのだろうか。また、最初に鬼塚の味方になったマサル(山崎裕太)と、ケンジ(徳山秀典)がどんな人間になっているのかも気になるところである。

さらに、2022年放送のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で主演を務め、数々の映画シーンを彩ってきた小栗旬も参戦すると来た。小栗といえば、ブレイクのきっかけともなったドラマ『花より男子』(TBS系)の花沢類のイメージからか、二枚目キャラの印象が強いが、『GTO』で演じていたのぼるは、気弱ないじめられっ子。学校の屋上から飛び降りようとしていたところを、鬼塚に救われたシーンもあった。そう考えると、いまのぼるが生きているのは、鬼塚が武蔵野聖林学苑に赴任したからであり、奇跡的なめぐり合わせのようなものを感じさせる。26年の時を経たのぼるが、鬼塚に「あの時、命を救ってくれてありがとう」と言えるような生き方をしてくれていることを願う。

『GTO』が放送された1998年から四半世紀以上の時が流れ、教育シーンのみならず、日常にもさまざまな変化が起きた。分かりやすかった平成初期の学生に比べて、分かりにくくなっている令和の学生たち。SNSが発達したことで、教師が関与することができない世界線のいじめや、大人が経験してこなかった次元の悩みも増えているという。ますます生きづらくなっている現代で、鬼塚は令和のニューヒーローになれるのだろうか。

『GTOリバイバル』のキャッチコピーは、「時代は変わっても、俺は変わらない」。言いたい事も言えないこんな世の中に、グレート・ティーチャー・オニヅカがメスを入れてくれることを期待したい。

(文=菜本かな)

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