2026年には「指定野菜」に仲間入りするなど何かと注目が集まっている
「ブロッコリー」。ここ最近、価格が下がっていて、農家からは困惑の声もありました。
店に多く並ぶブロッコリーですが、中には「紫色」のブロッコリーも。「出来が悪いもの」ではなく、農家は積極的な消費を勧めます。
土江諒 記者
「きょうは特売価格ということで、ニンジンとダイコンがかなりお買い求めやすくなっているんですが、もりもりっと積んであるこちらのブロッコリーも1株98円とかなりお安くなっています」
23日、鳥取県米子市内のスーパー。
客が次々と手に取っていたのは、ブロッコリーです。
客
「最近はカリフラワーばっかだったけど、安いから、きょうはね。買ってみようかなって」
税込み価格は、106円。
この店では、仕入れ価格が下がっていることを受け、22日から特売を実施。
高い時期に比べて70円、4割ほど安く販売しています。
消費者には嬉しいニュースの一方で…。
農家 林原統さん
「太陽に向かって成長していくので、割れて来るんですよ、ここが。商品価値が低くなりまして、食べる分には支障がないですが、主に加工品に回ります」
鳥取県大山町にあるブロッコリー畑。
ブロッコリーは、通常、つぼみの部分が直径約11センチ、身がしまった状態でスーパーの店頭に並びますが、1週間前の20度超えの暖かさでつぼみが割れてしまったり、大きくなり過ぎたりして等級がダウンしました。
しかも…
農家 林原統さん
「(これまでは)20個入っている段ボール箱が、10ケースしかとれなかったです。天候が良くなって晴れだしたら毎日100ケースです」
暖かい日が続いて、例年にないスピードで一気に成長。
大きすぎると商品価値が下がるため出荷を急ぎますが、その結果、出荷量が多くなり、直近の1箱あたりの市場価格は、2月上旬に比べ500円もダウンしました。
農家にとっては痛手となります。
JAによりますと、全国的に同じ状況となっていて、今後もさらに市場価格は下がる見込みです。
ところで、店頭に並ぶブロッコリーの中には、紫色のブロッコリーが混ざっているのを見かけたことはないでしょうか?
じつはこれ、ブロッコリーが身を守るために生成したポリフェノールの1種、アントシアンによるものです。
お買い得な今、色は気にせず消費してほしいと農家の林原さんは話します。
農家 林原統さん
「これは出来が悪いものと勘違いしているかもしれませんが、熱を加えればきれいな緑になって美味しくいただけるので、積極的に買っていただきたいです」