【1日3分間のメンタル強化法 第5回】自分の長所を生かした練習でテニスの上達が早くなる!<SMASH>

メンタルを強くしたいけれど、大変そうで敬遠している人はいないだろうか。そこで、伊達公子や浅越しのぶを指導した経験を持つメンタルアドバイザーの椙棟紀男氏が、メンタルの強化方法を伝授。一般プレーヤーもすぐに取り組めるように、短い時間でのトレーニング方法を紹介していきます。

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うまくいく人の考え方には共通のものがあります。

「自分は幸せになれると信じている」「自分をけなさない」「不平・不満を口にしない」の他「人と自分を比較しない」「自分の長所だけに意識を向けることができる」などが挙げられます。

「あなたの長所は何ですか?」と聞かれたら、何と答えますか?「運動能力が高い」「観察眼が鋭い」「努力ができる才能がある」「勇気がある」「判断力に優れている」「歌がうまい=リズム感がある」「自分が好き」このような答えが挙がるでしょうか。

これらをうまく活用すれば、テニスはもっとうまくなります。バネのある人は、サービス練習に時間をかけてみる。足に自信のある人は粘り強いテニスを組み立ててみる。観察力のある人は戦略や戦術を考えてみる。勇気がある人は練習で覚えたことを試合でどんどん試してみる。そして、最後はそんな自分を好きになって、テニスを楽しむ。
「長所に意識を集中すれば、それはもっと伸びる」。この原則は、テニスだけでなく、あらゆる方面で言えることです。つまり、漠然とまんべんなく練習をするよりも、自分の長所を生かせるように練習すると上達が早くなるのです。そのためには、自分の長所を考えて、それがテニスでどう生かされるかを考えると、自分のテニスの方向性が見えてきます。

試合前の考え方でも同じことが言えます。チームに帯同していた時、試合前の選手に「調子どう?」と質問すると、「サービスの調子がイマイチです」「足の動きが悪い」など、マイナスの言葉が多く返ってきます。

「絶好調です」「試合が楽しみです」などのプラスの言葉を言ってくる選手は少ないのです。その時、「どっちの自分で試合をしたいの?」とよく聞いていました。自分の中の長所(プラス)に目を向けて戦った方が脳は喜びます。プラスの考え方をして、楽しくテニスをしましょう。

◆解説=椙棟紀男
㈱トレビック代表取締役。アスリートをサポートする、メンタルアドバイザー。様々なスポーツ選手を見ており、テニスでは伊達公子や浅越しのぶを指導した経験を持つ。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2020年6月号から抜粋・再編集

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