えっ、本当に? アジアカップで無得点の浅野拓磨をそれでも「100点満点」と鄭大世が言い切る理由

同じFWとして、元Jリーガーの鄭大世氏にアジアカップでプレーした日本代表のアタッカー3人(上田、浅野、細谷)の評価を訊いてみた。すると…。

「(FW3人の全体的な評価は)100点満点中、80点くらいの出来はありました。細谷選手は力を出しきれなかった部分はありますが、上田選手と浅野選手は100点満点だと思います」

インドネシア戦やバーレーン戦でこれぞストライカーというゴールを決めた上田はともかく、今大会ノーゴールの浅野がなぜ「100点満点」なのか。この評価を聞いて「えっ、本当?」と思う方もいるはずだが、浅野を絶賛する理由を鄭大世氏は以下のように述べている。

「まず言いたいのは、チャンスを外した選手の批判をし過ぎ。三笘選手からのパスをシュートに持ち込めなかったシーンも、あれ、難しいですからね。足先でトラップしてシュートを打てれば理想ですけど、ギリギリのすごく難しいところ。それを、浅野選手が転んだ姿を見て『またやってるわ』っていうのはおかしい」

鄭大世氏曰く「チャンスを外せる選手はチャンスを作る能力がある」。

「FWがチャンスを外したことにフォーカスし過ぎて、チャンスを作る能力がある事実を忘れちゃう。決定力は確率論だから、チャンスを作らないとゴールにはならない。その点、浅野選手はチャンスメイク力が高い」

鄭大世氏の持論は「得点王が一番の外し屋」だ。

「クリスチアーノ・ロナウドやメッシも、チャンスの場面でたくさん外している」

要するに、どれだけチャンスに絡めるかが大事だということだ。チャンスに絡まなければゴールは生まれないし、その点で浅野は評価されるべきと、鄭大世氏はそう主張したいのだろう。

構成●サッカーダイジェストTV編集部

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