明治時代の造り酒屋をひな人形が彩る

3月3日の桃の節句「ひなまつり」を前に、県内では各地でひな人形を展示する催しが開かれています。鹿角市では、明治時代に建てられた造り酒屋だった建物で展示が行われていて、華やかなひな人形が会場を彩っています。

鹿角市中心部の商店街の一角にある「旧関善酒店」です。幕末に創業した造り酒屋の母屋として明治38年=1905年に建てられました。国の登録有形文化財に指定されていて、高さ10メートルほどの吹き抜けとなっている土間の梁と柱には、釘が1本も使われていないといいます。

その技術や規模、意匠が高く評価されているその土間に面した場所で現在行われているのが、ひな人形の展示です。3月3日の桃の節句「ひなまつり」に合わせて毎年行われているもので、今回は段飾りのひな人形が19組、およそ260体そろいました。これだけの数がありますが、表情や衣装など同じものは一つとしてないということです。展示されているのは、いずれも100年から50年ほど前に制作されたものでほとんどが鹿角市の個人から寄贈されたものです。

華やかな雰囲気に包まれた会場には、地元の住民たちが制作したつるし飾りも初めて展示され、彩りを添えています。

明治時代に建てられた商家を彩るこのひな人形の展示は、来月下旬まで行われています。

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