吉野町 浄見原神社で「国栖奏」

吉野町の浄見原神社で県の無形民俗文化財に指定されている神事「国栖奏」が行われました。

狩衣や烏帽子などの装束に身を包んだ保存会のメンバーが参道を歩き、お祓いを受けたあと、舞殿に向けて険しい階段をあがります。天武天皇を祭るこの神社では天皇の恩に報いるものとして、毎年旧暦の正月14日に演奏や歌を捧げる神事国栖奏が行われており、第15代・応神天皇の前で演じたのが始まりと伝わります。鈴とサカキを持って舞い、笛などを演奏して「延栄」とはやしたあと、応神天皇に捧げたとされる歌が唱和されます。最後は、全ての演者が手を口元に当てて体を反らす「笑いの古風」を行い、2024年も無事に奉納を終えました。

折しも、23日は天皇誕生日。断崖絶壁の上に建つ神社の境内はコロナ禍を経て4年ぶりに見物客が埋め尽くし、傘を差して、春を呼ぶ雨音を聞きながら、いにしえから伝わる神事に見入っていました。

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