直径わずか1.2センチの印鑑に160文字を彫ったハンコ。すごい技術だと、SNSで話題になったハンコ店があります。その店が、ハンコではない新商品の販売を始めました。これまでにも数々のユニークな商品を生んできましたが、新しい商品を作り続けるのには、ある思いがありました。
島根県松江市で印鑑の製造販売を手掛ける会社、「永江印祥堂」。
じつは、あることがきっかけで、話題となりました。
永江印祥堂 中の人
「こちらですね、22万いいね。自社紹介をしている87文字をハンコに彫ったものが、22万いいねをいただきまして」
SNSに投稿した1枚のハンコの写真。
直径わずか1.2センチの印鑑に、なんと87文字もの自社紹介を彫ったものです。
また、2か月ほど前にも、円周率を彫ったハンコの写真をSNSにアップしたそうですが、こちらは驚異の160文字!
リポストはすぐに1万件を超えるなどSNSの投稿がバズることで、有名な会社なんです。
こうした数々のユニークなハンコを生んできましたが、最近、ちょっと意外な商品の販売を始めました。
永江印祥堂 中の人
「こちらです!寿限無のハンコの缶バッジです」
新商品は、缶バッジ。
デザインされているのは、落語の「寿限無」を延々と彫った細かすぎるハンコです。
これを彫ったのが、この道20年以上のベテラン職人の村尾さんです。
永江印祥堂 村尾直樹さん
「なかなか目で見えないんですけど、じつは細かい修正もしていて、どういった深さで彫るとかどういう速度で彫るとか、手仕上げのところも大事なので」
職人の神業が缶バッジという新たな形になったユニークな商品ですが、なぜハンコ屋から缶バッジを販売することになったのでしょうか?
永江印祥堂 中の人
「弊社の彫刻技術が全国のどの印章店にも引けをとらないレベルなのに、知名度が低かったんですよね。SNSを活用して技術の魅力を広めることにしたうえで、寿限無のハンコを投稿したんです。すると、予想以上の反響があって大バズりになったので、ハンコとしてだけでなく、弊社のシンボルとして活かしたいなと考えて、缶バッジの製作販売を開始しました」
きっかけは、缶バッジを製造する企業とSNSで繋がったことなんだそう。
ハンコとは違うジャンルの商品で、さらに会社の知名度アップを狙っていますが…
永江印祥堂 中の人
「今のところ若干売れてるって感じで約10個っていう感じですね。あんまり売れてないですね。もっと売れると思ったんですけど」
売れ行きは今後に期待ですが、ほかにもユニークな商品はたくさん!
こちらは、いつでもどこでも般若心経が押せちゃうスタンプ。
ご利益があるように感じられるのか、意外と売れているそうです。
ユーモアあふれるハンコもまだまだたくさんありますが、じつはこうした商品は、中の人と村尾さんの2人だけで作っていて、販売するまでは社内にも内緒にするんだそうです。
永江印祥堂 中の人
「私としては世界みんな驚かせたい、みんないっぺんに知った方が面白いじゃないですか」
(Q.ちなみに今何かやっていたりする可能性もありますか?)
永江印祥堂 中の人
「秘密です」
ハンコ店の中の人のユニークなアイデアと、確かな職人の技術が、今後も話題を集めそうです。