バーディ締めに小さくこぶし 原英莉花「良くない時の引き出しを」

苦しみながら粘りのイーブンパー「72」(撮影/村上航)

◇米国女子◇ホンダ LPGAタイランド 2日目(23日)◇サイアムCC オールドコース(タイ)◇6576yd(パー72)

最終18番(パー5)で2.5mのバーディパットを沈めた原英莉花は小さくこぶしを握った。1番でバーディ発進も、初日は1つもなかったボギーを2番から2連続で喫する展開。苦しいラウンドをなんとかイーブンパー「72」にまとめ、通算4アンダー30位に踏みとどまった。

左ピンが多かった中、持ち球のフェードを思うように操れず、ショートサイドにミスしてピンチを招く場面もあった。序盤はアプローチも苦戦。右手前からの寄せでバーディにつなげた7番(パー5)のタイミングで、上げるアプローチから転がしに切り替えたと明かす。「そこから、ちょっとまともになったかな。この状態の中でイーブンに戻せたのは、アプローチの部分だったと思う」と胸をなでおろした。

全てを経験に変えて目指す米ツアー挑戦(撮影/村上航)

スポット参戦の米ツアーは、やはり日本ツアーとは違う。この日同組だったナンナ・コルツ・マドセン(デンマーク)は、ラウンド中の感情表現が豊かなことで知られ、スロープレーが取り沙汰されることもしばしば。前半6番をプレーする頃には、前の組と1ホール分も間隔が開いてしまっていた。

パッティングに負担がかかった(撮影/村上航)

原は「全然、ペースに乗っちゃったとかではない」と強調した上で「私が自分のペースでプレーできたら良かったけど、ショットが良くなかった分、なかなかいいテンポでプレーできなかった。日本の選手はあんまり感情を出したりしない部分はあると思うので、やっぱりそこにも慣れていかないといけない」。あくまで自らの課題として受け止め、米ツアー挑戦を目指す過程の成長につなげようとしている。

首位とはまだ6打差(撮影/村上航)

「自分の感覚が良くない時に戻せる引き出しをもうちょっと持っていないと。試合でしか、その引き出しは増やせないと思うので」。首位とはまだ6打差。高いモチベーションを保ったまま、残り36ホールを見据えた。(タイ・チョンブリ/亀山泰宏)

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