受験が不合格に終わった子どもに言ってはいけない言葉

3つのポイントを押さえて判断する

大学入試は多様化し受験日が以前のように年明けから始まるわけではありませんが、中学受験から高校受験そして大学受検でも筆記試験は1月から本格化します。

とくに中学受験は2月中旬までにはおおよそ終わる短期決戦です。大都市圏を中心に中学受験熱が高まり、限られた合格切符を多くの子ども達が奪い合う熾烈な戦いで、「全落ち」という言葉があるほどです。

たとえ判定テストで合格や可能圏であっても、入試本番で何が起きるか分かりません。努力をし続けていても体調、入試問題の傾向など複数の要因が重なり残念ながら不合格となる子も少なくないです。

そこで今回は、合格を信じ、色々なことを我慢しながら勉強を頑張ってきたけれど不合格となってしまった子どもに対して親が言ってはいけない言葉をご紹介していきます。

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親の気持ちもわかるけれど…子どもの立場になって、心に寄り添ってみる

不合格となると、親もショックを受け、つい厳しい言葉を子どもにかけてしまうことがあるでしょう。しかし、感情的になってはいけません。

不本意な結果になってしまった子供に言ってはいけない言葉は以下の3つの要素を含む言葉です。

落ち込んでいる子どもをさらに追い詰める言葉をかけていませんか?

次では、1つ1つ詳しく解説していきます。

不本意な結果になった子どもに言ってはいけない言葉3選

それでは、それぞれの言葉について、詳しく解説していきます。

【言ってはいけない言葉 1】「努力が足りなかった」頑張ってきた子どもを責める言葉

どの受験でも言えることですが、子ども本人が志望校に向かって日々勉強しなければ合格に近づくことはできません。
明らかに怠けていたり、最低限の勉強もしてこなかったのならば不合格という結果になるのは仕方がないです。

しかし、多くの子ども達は受験学年となれば様々なことを我慢しライバルたちと切磋琢磨しながら入試に向けて勉強しています。倍率が高い人気校を目指しているのであれば尚のこと、少しの時間も無駄にはできません。

こうした努力をしていても、確実に合格する保証はない中で入試に臨みます。不確かな中で自分の実力を全て出し切っても、受験は残酷で合格と不合格という真逆の二つの答えしか待ち受けていません。

不合格となった時、茫然自失としている子どもに対して「もっと勉強すれば良かったのに」「やっぱり勉強量が足りなかった」とこれまでの努力を踏みにじるような言葉を投げかけてはいけません。

受験では親も神経質になります。けれど、感情的になって「不合格という結果はこれまでの努力が無かったことになる」と受け止められる言動は傷ついている子どもに追い打ちをかけるだけです。

努力をしてきた結果、残念ながら縁がなかったという気持ちをしっかり持って子どもに接するようにしましょう。

【言ってはいけない言葉 2】「あの子はこんなに結果を残しているのに」他の子の結果と比べる言葉

受験シーズンは同タイミングで入試が行われるため、どうしても知り合いの子や子どもの友達の子の結果が耳に入ることもあります。受験した学校で軒並み合格を勝ち取っている子や、第一志望や第二志望の学校に合格した話を聞けば親としては心穏やかに過ごせません。

「あの子はこんなに結果を残しているのにうちの子は」とため息をついたり、子どもの前で他の子の結果を引き合いに我が子と比較するのはやめましょう。

何かにつけて誰かと比較されることをほとんどの子どもは嫌がります。とくに受験の不合格というのは子どもにとって人生最初の試練です。そして、不合格は「条件をクリアできなかった人」という意味でもあります。

「自分は失敗した人」と思いつめ、子どもによっては立ち直るのに相当な時間を要することもあり、家庭内の雰囲気や親子関係がガラリと変わってしまうきっかけにもなります。

たとえ時間を経てまた違う道を歩き、少しずつ明るい気持ちを取り戻してきたとしても子どもは親から言われたキツイ言葉を覚えています。

子どもが「落ち込んでいる時にこんなことを言っていたよね」という恨みを抱えて生きてしまわないよう、絶対に軽い気持ちで比べてしまわないよう気をつけてください。そして他の子と比べてしまうことは子どもだけでなく親の方の気持ちも不安定になってしまいます。

ついつい良い結果を出している子を羨ましく思っても、そう思うことで自分たち親子にプラスに働くことはありません。気持ちを落ち着かせるには様々な情報が飛び交う受験では終始「よそはよそ」という信念を貫いてください。

【言ってはいけない言葉 3】逆効果に?気持ちの切り替えを急かす「励ましの言葉」

励ましているつもりが、子どもを傷つけていたら?子どもの状況をよく見てみましょう。

中学受験や高校受験で志望校に合格できなかった場合、ショックが長引いてしまうとあっという間に卒業式や入学式が迫ってきます。

次のステージに向けて動き出させようと「くよくよしないで顔を上げて歩いて行こう!」と急き立てる言葉をかけることは決して珍しいことではないです

けれど、気持ちの整理がついていないの良かれと思って「未来に向かって歩こう」と励ましても、子どもにとって逆効果になることもあります。

親はたとえ不合格という悔しい結果になっても、そこから立ち直っていけば違う道が待っていて、自分の力を次回の入試で発揮できればそれで丸く収まるのを経験上知っています。しかし、「不合格」という経験をしたことのない子どもにとっては、今回受けた受験で思うような結果が出せなかったら絶望しかないのです。

絶望という海を漂っている中で「立ち上がろう!」という言葉は余計なひとことになってしまいます。場合によっては「自分の気持ちを分かっていない」と親への不信感を募らせていきます。

親子で経験の差があることを考慮して、急かすような言葉は極力せずに子どもの気持ちが落ち着くのを見守ってください。

まだまだ続く受験シーズン

まだ受験がある家庭では波風を立てる言葉を控えて静かに日々を過ごすよう注力しましょう。

私立大学の筆記試験、私立高校や中学受験がひと段落すると2月下旬から3月にかけて国公立大学の二次試験と公立高校の入試が待ち受けています。

これらの受験を受ける、または本命校という受験生にとって受験直前期や合否を待つ間は平常心を保っているのも難しいほどです。合格を勝ち取るには親が余計なことを言わずに入試に全力できる環境を作っていくようにしましょう。

大切な時期なのに親が小言ばかり口にしていては、子どもは集中して勉強することもできません。ただでさえ緊張しているのですから、心穏やかに過ごせるよう「合格した時の話や不合格となった時の対応を考えよう」「どうせ受からないよ」という言葉を投げかけないでください。

目の前の受験と真剣に、真面目に向き合っている子どもに対して茶々を入れるのと同じです。

親が茶化したり、「無謀な挑戦」と諦める言動をしていると学習意欲も低下してしまいます。最悪の場合「合格して欲しくないのだろうか」と要らぬ悩み事を増やすことになるので、

まだ受験がある家庭では波風を立てる言葉を控えて静かに日々を過ごすよう注力してください。

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