【糸島】雨音もご馳走♪ 珈琲焙煎所「SAZANAMi」で本と器と珈琲を

こんにちは! リビングふくおか・北九州Web地域特派員のMaximです。九州北部は早くも春一番が吹きましたね。梅から桜の季節にじょじょに移り変わる季節、糸島市の前原商店街にある珈琲焙煎所を兼ねた珈琲店「SAZANAMi(さざなみ)」に伺いました。

1月にリポートしたカヌレショップ「cocolate(ココレート)」で「糸島の珈琲店 SAZANAMi(さざなみ)の店主さんがカヌレに合うドリップ珈琲を作ってくれました」と伺い、一度お店に行ってみたいと思っていたのです。

最寄駅はJR筑肥線 筑前前原駅

最寄駅のJR筑肥線 筑前前原駅から「SAZANAMi」まで徒歩10分の距離なのですが、この日の朝は雨風があまりに強かったので歩くのは断念しました。筑前前原駅の北口から出ている糸島コミュニティバスに乗って、たった1駅でしたが次のバス停「伊都文化会館前」で降りて歩いてみることに。至るところに水溜まりができており、長靴を履いてきて良かった!

バス停から「SAZANAMi」まで歩いて5分とかからないのですが、旧唐津街道沿いの前原商店街に入ったあたりから、工房や個人でされていると思しきお店など趣のある建物が並んでいました。どの建物も全体的に背が低いので威圧感がなく、今度来るときは一軒一軒お店をのぞきながら歩いてみたいですね。

開店の11時よりすこし早めに着いたので、「SAZANAMi」の正面にある旧西原邸の軒下で雨宿りをさせてもらいました。私は知らなかったのですが、西原家は江戸時代中期から糸島地方で栄えた商家なのですね。窓から見えるお部屋はお座敷のようで、また一つ訪ねてみたい場所が増えました。

出典:リビングふくおか・北九州Web
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ガラス窓から雨粒を眺める

開店の11:00、2人の店主さんが雨風の強いなかシャッターを開けてくださいました。この建物には2つのお店が入っており、手前がお財布やショルダーバッグなど革製品のお店「SCATOLA」、その奥が珈琲焙煎所とお店を兼ねた「SAZANAMi」となっています。

外からでは気づきませんでしたが、建物の奥がガラス窓になっており立派な松や植木鉢が並んだお庭が見えます。植木鉢に落ちる雨粒の音と濡れそぼった窓が美しいです。写真家ソール・ライターの「雨粒にはどこか惹かれる」という言葉をふと思い出しました。

出典:リビングふくおか・北九州Web
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ガラスの器でカフェラテを頂く

「選べるスイーツセット」と珈琲の単品で悩みつつ、「カフェラテ(HOT)(600円)」を頂くことに。こちらでも「cocolate(ココレート)」のカヌレを頂けますが、この日はあいにく巡り会えませんでした。でもこうして別のお店のお菓子や珈琲を知っていくのも、リポートの楽しみの一つです。

出典:リビングふくおか・北九州Web

テイクアウトも可。豆の販売もあります

カフェラテを待つ間、ふと後ろを振り返ると本が並んでいるのが目に入りました。伊丹十三の『ヨーロッパ退屈日記』、ヨシタケシンスケのスケッチ集、松浦弥太郎...。心躍るラインナップです。読んだことのない本は何冊か書き留めておきました。まるで本屋さんに居る気分です。

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席まで運ばれたカフェラテを見たとき、驚いたのがガラスの器に入っていたこと! 陶器で出てくることに慣れていたので、器の側面からもカフェラテが見えるのが新鮮でした。

崩すのがもったいないハートに口をつけると、なめらかな泡が唇に触れました。ダークチョコレートのカカオのような苦みとミルクの甘みが合わさって、やわらかい飲み心地です。熱すぎないのも飲みやすいです。雨音とお店に流れるピアノの音色を聴きながら、ゆっくりひと口ずつ時間をかけて頂きました。

出典:リビングふくおか・北九州Web
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ガラスのグラスに魅せられて

ガラスのグラスがあまりに珍しかったので思わずお尋ねしたところ、店主の浦川 洸一郎(うらかわ こういちろう)さんが詳しいお話を聞かせてくださいました。

カフェラテのグラスは耐熱ではないのですが、コーヒーを注ぐ前にあらかじめ温めておいて丁寧に注げば割れることはありません」と浦川さん

浦川さんが元々このグラスの大ファンで、グラスを造っている左藤吹きガラス工房に熱烈なお手紙を送ったのが「SAZANAMi」を開店した2022年7月頃。同じ年の11月には浦川さんがはじめて左藤さんに大阪でお会いし、その1年後の2023年11月に「SAZANAMi」のお店で左藤さん自ら2日間にわたってグラスを販売されたとか。現在、左藤吹きガラス工房では卸販売をしていないので噂を聞いた方が県外からも来店し、110個持参していたグラスは初日で100個売れてしまったそうです。

出典:リビングふくおか・北九州Web

「『cocolate』の店主・藤原さんとは、共通の知り合いを通じてカヌレに合う珈琲を作ることになりました。築160年で元は西原邸の一部だったこの店舗は、前原商店街にある雑貨や台所道具のお店・ここのきの方に紹介して頂きました」と浦川さんはさらにおしえて下さり、人を介してお店や商品がさらに多くの人の手に渡っていく様子がとても興味深かったです。

カフェラテの甘みのひみつ

カフェラテがとてもおいしかったので豆を頂こうと思い、4種類のなかから「Guatemala (100g/880円)」を選びました。

あのカフェラテの甘みがどこから来ているのか浦川さんにお聞きしたら、「佐賀県唐津の村山牛乳を使っており、その甘みだと思います」とのこと。福岡ではあまり見かけない村山牛乳ですが、私もいつかこの牛乳でカフェラテを淹れてみたいです。ちなみに豆はオンラインでも購入できます。

海沿いが度々取り上げられる糸島市ですが、旧唐津街道沿いにも「ごめんください」と言ってお邪魔したくなるような素敵なお店や街並みが広がっていました。もうじきお花見やお散歩が楽しくなる季節、皆さまも前原商店街を散策しながら「SAZANAMi」の珈琲と本でひと休みしませんか?

出典:リビングふくおか・北九州Web

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