歴史感じる約50点 北上市立博物館 新収蔵資料展

北上市黒岩出身の日本画家・及川香石が手掛けた大型の「松鷹図屏風」。細部にわたり精巧に描かれている

 北上市立花の市立博物館で企画展「新収蔵資料展」が開かれている。画家のびょうぶをはじめ北上にまつわる歴史、民俗資料、昆虫の標本などが展示されている。3月10日まで。

 前回資料展後の2022年1月から23年9月まで、市内外からの寄贈などで集まった600点以上の資料から約50点を厳選し公開。古くは平安時代の土師(はじ)器片、多くは江戸から昭和の各時代の資料を出展した。

 江戸時代では、黒沢尻で警察的任務を果たしていた小澤家の鎖かたびらとちょうちん、仙台藩を支えた儒者・菅原南山筆の漢詩などが並ぶ。明治以降では和賀地方の中心的鉱山として栄えた湯田町(現西和賀町)の旧土畑鉱業所の看板、昭和初期に黒沢尻で相撲巡業した際の宿帳や前売券、青柳町で十数年前まで営業していた今野時計店の懐かしの振り子時計もある。

 東和町(現花巻市)土沢出身の画家・藤原八弥が描いた「展勝地之景図」、北上市黒岩出身の日本画家・及川香石の「松鷹図屏風(びょうぶ)」は大型かつ細部にわたり精巧に描かれ、ひときわ目を引く。

 期間中は26、27日と3月4日休館。午前9時~午後5時。観覧料は一般500円、高校生240円。小中学生は170円だが北上、奥州、西和賀、金ケ崎各市町居住者は無料。

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