「君と世界が終わる日に Season5」玉城ティナと溝端淳平が“究極の愛”を語る──「皆さんがどう受け止めるか感想を聞いてみたい」

ゴーレムと呼ばれるゾンビが跋扈(ばっこ)する終末世界を生きる人々の戦いを描いた、Huluオリジナル「君と世界が終わる日に」竹内涼真演じる間宮響の運命を追った劇場版と同じ時間軸で展開するSeason5は、生き残った人類が集う都市“ユートピア”での、新たな戦いを描く物語だ。本作で、“ユートピア”を創造した新山財団会長の娘・新山明日葉を演じた玉城ティナと、彼女を支える元財団幹部の加州宗一に扮(ふん)した溝端淳平に、物語の見どころを聞いた。

── 本作での明日葉の成長をどう捉えていますか?

玉城 「これまでの明日葉は、加州たちに守られて生きてきたので、世間知らずな面もありました。でも、“ユートピア”であらためて自分の背負うべき役割に気付き、覚悟を持ってそれと対峙(たいじ)していく。衝撃的なことがたくさん起こりますが、正義を見据えて耐え抜いてくれて、明日葉が強くなっていくのを感じました」

溝端 「明日葉は『人類最後の希望』を担う立場。人間の悪いところをたくさん見てきたはずなのに、それでも清らかな心を持ち続けて…まぶし過ぎましたよね」

玉城 「今までの明日葉とは違う、より強い表情に見えたらいいなと思って撮影に挑んでいました」

── 加州と明日葉の関係性も大きく変化しますね。

溝端 「Season4は一緒のシーンの撮影が多くて、だいぶ打ち解けていましたが、今回は全然会えませんでしたよね。3話で久しぶりに会えたと思ったら、婚約者がいるし(笑)」

玉城 「私は“ユートピア”で選ばれた人だけが入ることのできる“タワー”にいて、溝端さんは地下の“アンダー”に閉じ込められていたので、本当にお会いできなくて。でも、明日葉も加州に会えずに寂しいと思っているから、そこは気持ちをリンクさせて演技できた気がします」

溝端 「役のまま生きられた感じでしたね。加州は財団の幹部という立場を離れて、1人の男として明日葉と対峙することになります。その中で、自分の本当の気持ちは何なのかと自問自答し続けて、憧れや敬意だと思っていた明日葉への気持ちが、愛だと気付く。明日葉を1人の女性として愛し、彼女のために生きる覚悟を固めるのが、今作の加州の大きな変化だと思います」

玉城 「明日葉は、自分の加州への気持ちの変化に驚いた部分もあったと思います。会えない時間に加州を思っている中で、自分の心の隅っこにあった気持ちが、少しずつ大きくなっていったのだろうと感じて演じていました」

── 飯豊まりえさん、柿澤勇人さん、前田公輝さんと共演した感想を教えてください。

玉城 「Season1から出演している飯豊さんのことは、本当に頼りにしていました。私は昔からの知り合いなのですが、お互いへの信頼関係があるからこそ、タワーとアンダーに分かれていても『一緒に頑張ろう』という気持ちで演じられた気がします」

溝端 「飯豊さんがいるだけで現場が本当に明るくなるし、アクションもどんどん上手になっていましたよね。玉城さんは柿澤くんとは初共演?」

玉城 「幼なじみの元婚約者役でしたが、実際は初めましてでした。冬馬はとても難しい役だと思うのですが、柿澤さんの声の鋭さが冬馬に説得力を与えていて。普段はとても温和な方ですよね」

溝端 「僕は何度かお会いしたことがあるのですが、ミュージカル界の貴公子がちょっと人見知りしているのが意外でした(笑)。作品の現場に途中参加する難しさは僕もよく知っていますし、柿澤くんとは空き時間になるべくコミュニケーションを取るようにしていました」

玉城 「前田さんは逆に、無言の時を見てみたいと思うくらいパワフルでしたよね。どんなボールでも全部レシーブしていく…バレーボールのリベロ的なかき回し力が印象的でした」

溝端 「頭の回転が早いですよね。いろんなことを目標に掲げて、それをどんどんクリアして変化していく。“前田公輝”がどんな人物なのか、ますます興味を持ちました」

── 5話で2人は衝撃の決断を下すことになりますが、お二人はどう感じましたか?

玉城 「あの決断は台本をいただいた時に本当に驚きましたが…。明日葉が選んだことだし、私自身がどう思うかというよりも、役として誠実に生きていこうと思って挑みました」

溝端 「加州が下す究極の決断を『ひどい』と受け止める人もいると思うんです。明日葉の幸せだけを考えたら、もっと別の選択肢もあったはずですし」

玉城 「難しい選択ですよね。明日葉の気持ちは最終的にはブレないと思って演じていましたが、それでも加州との最後のシーンは永遠に感じました」

溝端 「僕だったら、もっと早い段階で逃げていると思う(笑)」

玉城 「ネタバレになるから深くは話せないけれど、私は明日葉の気持ちも分からなくないですよ。明日葉にとっての“愛”とは何なのか、考えさせられましたし、皆さんがどう受け止めるのか、早く感想を聞いてみたいです」

溝端 「人間が極限まで追い込まれた状況での選択を描く中で、『善と悪とは』『正義とは』『愛とは』と問いかけ続けた作品だと思います。見る人によって受け止め方が違うと思いますので、周りの方といろいろ話すきっかけにしてもらえるとうれしいです」

【プロフィール】

玉城ティナ(たましろ てぃな)
1997年10月8日生まれ。沖縄県出身。おもな出演作に「極主夫道」(日本テレビ系)、「鉄オタ道子、2万キロ」(テレビ東京系)、「NICE FLIGHT!」(テレビ朝日系)、映画「恋のいばら」「#ミトヤマネ」(ともに2023年)などがある。


溝端淳平(みぞばた じゅんぺい)
1989年6月14日生まれ。和歌山県出身。近作に大河ドラマ「どうする家康」、「正直不動産スペシャル」(ともにNHK)、「何曜日に生まれたの」(テレビ朝日系)など。ドラマ「恋する警護24時」(テレビ朝日系)が放送中。

【番組情報】

Huluオリジナル「君と世界が終わる日にSeason5」(全5話)
Huluで独占配信中

人類最後の希望と呼ばれる“ユートピア”にたどり着いた明日葉(玉城ティナ)と佳奈恵(飯豊まりえ)、加州(溝端淳平)たち。しかし明日葉は元婚約者の冬馬(柿澤勇人)の手で選ばれた人間が住む“タワー”に連行され、佳奈恵と加州は虐げられた人々の住む“アンダー”に閉じ込められてしまう。

取材・文/須藤美紀 撮影/尾崎篤志
ヘアメーク/今井貴子[玉城]、谷口丈児[溝端] スタイリング/鈴木麻由[玉城]、黒田領[溝端]
衣装協力/トップス(PRANK PROJECT)・スカート(IRENE)[玉城]、ニット ¥19,250(AIVER/Sian PR☎03-6662-5525)・そのほかスタイリスト私物[溝端]

© 株式会社東京ニュース通信社