【第25回 遠野 町家のひなまつり】しっかり楽しむ徹底ガイド!

「ひなまつり」の歴史

まず「遠野 町家のひなまつり」の紹介の前に、日本の雛祭りについて確認しておきましょう。

日本の「ひな祭り」は、毎年3月3日の「桃の節句」に行われるお祭りで、女の子の誕生を祝い、その健やかな成長を願う楽しい年中行事です。この伝統的なお祭りは、古代中国から日本に伝わった風習に起源を持ちます。

古代中国では、月と日に同じ奇数が重なる日を忌み嫌い、その日は邪気を祓う様々な行事が行われていました。この影響を受けて、日本でも3月3日に厄除けの儀式を行うだけでなく、子どもたちの人形遊びと結びついていきました。江戸時代には「ひなまつり」として確立され、現代に至っています 。

平安時代には貴族の子女が遊んでいたおままごとごっこ「雛あそび」がありました。この遊びに紙で作られた人形を川に流して厄除けをする「流し雛」が合わさったものが、現在のひな祭りの由来とされています。

また、ひな祭りは中国伝来の風習であり、古代中国では3月の最初の巳の日に水で体を清め、厄を祓う「上巳の節句」が行われていました。この風習が日本に伝わり、日本固有の人形(ひとがた)と結びついて雛祭りの原型が誕生したと言われています。

江戸時代にひな人形は徐々に豪華になっていきます。しかし豪華になりすぎ、一時は規制の対象ともなりました。江戸時代の中頃には一般庶民にも愛されるようになり、さまざまな様式のひな人形が生まれます。幕末以降には現在のような段飾りになりました。

遠野のひなまつりの歴史

遠野は、江戸時代に盛岡藩南部家の一族である、遠野南部氏が約240年もの間治めた、古くからの城下町です。商業の要所として、各地の特産品や工芸品を取り扱う市場が定期的に開かれており、雛人形も重要な取引品の一つでした。そのため遠野には「享保雛」や「古今雛」など、江戸時代から伝わる貴重な雛人形が数多く残されています。また、遠野は季節ごとの祭りや行事が盛んで、これらの伝統的な催し物が城下町の文化を豊かにしていました。「遠野 町家のひなまつり」は地域の文化を今に伝える大切な催し物です。

遠野のひなまつりでは、雛人形と共に五月人形や様々な人形、屏風や錦絵などの美術品を飾る伝統があります。この風習は、5月になると農業などで忙しくなるため、その前に楽しむとともに、季節の変わり目で体調を崩しやすい時期に、体調を崩したりなどの良くない事を払う意味合いがあります。

この行事についての記録として、遠野地域の出来事を伝えていた「上閉伊新報」に残された記事があります。1913年(大正2年)4月5日、旧暦3月1日に相当する日に発行されたこの記事では、「雛市(人形市)」や「ひなまつり」が開かれていた様子が記されています。

「雛市」は江戸時代の終わりから遠野でも行われ、明治や大正時代には盛んになりました。雛市では、京都からの人形や地元の「附馬牛人形」、近隣の「花巻人形」などが売られ、特に京都の人形が人気で、骨董品としての価値が新品以上に評価されていました。雛市は新暦の1日や6日に合わせることが多かったようですが、特に陰暦の1日に最も近い日に市場が開催されていたようです。

雛飾りは1日に始まり、家の奥の間にひな壇を設け、壁には錦絵を飾るなど、まるで小さな美術展のようだったと上閉伊新報は伝えています。2日目には雛菓子を作り、3日目には着飾った子どもたちが近隣を「おひなさま、お見せて、おぐれんせ」と言って見て回り、各家ではお菓子や料理が振る舞われました。

この「雛見」の風習が、100年以上前の新聞に当たり前のように紹介されていることから、明治時代から続いていることがうかがえます。また、遠野物語拾遺では、「ひなまつり」そのものではないものの、関連する「カマコヤキ」という行事や、その時の食べ物についても触れられています。今回の「遠野 町家のひなまつり」は、これらの伝統を復活させたイベントです。

第25回 遠野 町家のひなまつり

手軽に楽しむ「ひなまつりワンコイン遠野ツアー」

「遠野 町家のひなまつり」開催期間中は、郷土愛にあふれる遠野ふるさと観光ガイドが、皆さんの旅の楽しい思い出作りのお手伝いをします。赤いジャンパーを着た観光ガイドがおりますので気軽にお声がけください。

また予約不要で500円のワンコインで利用できる「ワンコインツアー」も開催いたします。出発時間は10時30分と13時30分の1日2回開催。コースはガイドやお客様の希望によって異なりますが、遠野駅前を出発して数軒のひなめぐりをし、遠野駅前に戻ってきます。参加者が集まり次第まち歩きをスタートします。出発時間前までに「旅の蔵遠野(遠野市観光協会)」にて受付をお済ませいただければ、どなたでも参加できます。直前まで受け付けておりますので、ぜひ気軽にご参加ください。

【期間】2024年2月22日(木)~3月5日(火)
【出発時間】10:30・13:30
【所要時間】1時間半程度
【出発場所】旅の蔵遠野(遠野駅目の前「遠野市観光協会」)
【料金】500円(1名様からOK)
【定員】各回先着10名

ひなまつりワンコイン遠野ツアー

同時開催イベント

期間中は同時に開催されるイベントが多数用意されています。

冬期特別展示「遠野のひな人形」(遠野市立博物館)

遠野市立博物館では、所蔵する江戸時代から明治・大正時代から伝わる遠野のひな人形を展示しています。遠野のひな祭りの歴史についても分かりやすく紹介します。

遠野市立博物館の学芸員による「ギャラリートーク」⇒日時:3月1日㈮ 13:30~14:00

【期間】令和6年2月9日(金)~3月5日(火) ※休館日:3月4日(月)
【開館時間】午前9時~午後5時(入館受付は、午後4時30分まで)
【入館料】一般310円、高校生以下160円
【会場】遠野市立博物館(〒028-0515岩手県遠野市東舘町3-9)
【お問合せ】TEL:0198-62-2340・FAX:0198-62-5758

令和5年度 冬季特別展 遠野のひな人形

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第40回 遠野 昔ばなし祭り

「昔、むかしあったずもな…」で始まる趣ある昔ばなし。
語り部による生の昔ばなしを、じっくりとお聞きください。

【開催日】2024年2月24日(土)~25日(日)
【会場】あえりあ遠野中ホール
【時間】10:30~15:30

【入場料】各日500円(高校生以下無料) ※遠野市立博物館&とおの物語の館へ共通で入場できるお得なチケットを当日会場で販売いたします。

第40回 遠野 昔ばなし祭り

第49回 遠野市民の舞台・遠野物語ファンタジー「卯子酉の淵」

第49回となる遠野市民の舞台・遠野物語ファンタジーが開催されます。今回の公演は、遠野物語拾遺第35話を基にした舞台『卯子酉の淵』です。

【公演日程】
①2024年2月24日(土) 18:30開演(開場:17:30)
②2024年2月25日(日) 10:30開演(開場:9:30)
③2024年2月25日(日) 14:30開演(開場:13:30)

【場所】遠野市民センター大ホール
【入場料】一般 1,300円(当日1,500円)、高校生以下 無料(要入場券)※入場券はプレイガイドにて配布いたします。
【プレイガイド】とぴあ、遠野風の丘、めがね橋直売所、遠野市民センター、みやもりホール、遠野市内各地区センター、(一財)遠野市教育文化振興財団

【主催】遠野物語ファンタジー製作委員会
【共催】遠野市、遠野市教育委員会、(一財)遠野市教育文化振興財団
【お問合せ】(一財)遠野市教育文化振興財団
【電話】0198-62-6191

第49回 市民の舞台 遠野物語ファンタジー「卯子酉の淵」

「享保雛と遠野と花巻の土人形展」(蔵の道ギャラリー)

【日時】2月22日㈭~3月3日㈰ 9:00~16:00
【場所】〒028-0523岩手県遠野市中央通り4-28
【電話】0198-62-2680

遠野蔵の道ギャラリー

「ひなまつり茶会」三彩流蘭煎茶会(遠野市役所本庁舎)

煎茶と和菓子をたのしむ「煎茶席」・椅子席・急須で入れる煎茶体験もあります。

【日時】2月25日㈰ 10:00~15:00
【料金】1席400円
【場所】〒028-0592遠野市中央通り9番1号
【電話】0198-62-2111(代表)

遠野市

「こども本の森 遠野 ひなまつり」(こども本の森遠野 いちの蔵)

こどもスタッフによる読み聞かせや、ひな飾りを親子で作って楽しみましょう♪

【日時】2024年2月24日(土)10:00~11:00
【場所】こども本の森 遠野 地域活動室
【対象」未就学のお子様と保護者
【定員】先着20名
【参加費】無料

イベントの参加には、事前にお申込みが必要です。
申込方法:電話、メール、ホームページ内にある予約フォームのいずれかの方法でお申込みください。

予約フォームはこちら

「こども俳句大会表彰式」一日市商店街振興協同組合(こども本の森遠野 いちの蔵)
【日時】3月2日㈯ 10:00~

「ひな祭りコンサート」遠野少年少女合唱隊(こども本の森遠野 いちの蔵)
【日時】3月2日㈯ 14:00~
【場所】〒028-0523 岩手県遠野市中央通り1番16号
【電話】0198-63-3003

こども本の森 遠野

「きもの姿でひな巡り」きものを楽しむ会

着物姿で遠野市役所1階に集合

【集合場所】遠野市役所本庁舎
【集合日時】3月3日㈰ 13:00
【会場】〒028-0592遠野市中央通り9番1号
【電話】0198-62-2111(代表)

遠野市

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