秋田の蔵元集団・NEXT5休止 日本酒共同醸造の先駆け

秋田市で締めくくりのイベントを開いた「NEXT5」のメンバー。中央は秋田醸造の小林忠彦社長=10日

 5人の蔵元による日本酒醸造グループとして有名な秋田県の「NEXT5」が2月、14年弱の活動を休止した。技術を持ち寄って一つの酒を造る「共同醸造」が業界の先駆けとなった中堅・若手のメンバーも、今では熟練の域に。「それぞれの蔵で個性的な酒を造りたい」と、活動に区切りを付けることにした。

 結成は2010年。各社の業績が低迷し「体力がない蔵からつぶれていく」と危機感を抱いたのがきっかけだった。グループの代表を務める秋田醸造(秋田市)の小林忠彦社長(62)は「大きな反響を呼ぶとは思っていなかった」と振り返る。

 5人の酒は話題となり、新作を発表すれば予約だけで完売。他県に後進グループが生まれ、現代芸術家や漫画とコラボした新製品は、日本酒ファン以外からも注目された。

 だが人気が高まるにつれてそれぞれが多忙に。共同醸造も「同じことを繰り返しても意味がない」との考えで一致した。

活動休止に合わせて仕込んだ共同醸造酒「THE FINAL 2024」は新政酒造(秋田市)の特約店で、時期は未定だが発売予定だ。

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