【パリで輝け】アーチェリー中西絢哉選手(24)金を目指しフォーム調整「みんなのエネルギーになったら」【岡山】 

シリーズでお伝えしている「パリで輝け」。
岡山県勢でいち早くパリ五輪代表内定を掴んだアーチェリーの中西絢哉選手、24歳です。目指すは表彰台。本番は5か月後に迫っていますが課題に直面し、ミリ単位でのフォームの調整を続けています。

「やっとスタートラインに立てた」悔しさ乗り越えパリ五輪への切符を獲得

狙うのは70m先の的。体力・技術に加え高い集中力が求められる競技アーチェリー。パリ五輪への切符を岡山県勢でいち早く掴んだ中西絢哉選手・24歳です。(シーアール物流 中西絢哉選手)「まずパリでは銀以上。目標に頑張っていきますし、見ていただくことでエネルギーを送れないかなとは思っています」

競技を始めたのは小学5年のとき。初心者講習会の新聞記事を見て練習場を訪れたことがきっかけです。中西選手に中学3年生までアーチェリーを教えた豊福浩さんです。

(中西選手の最初の指導者 豊福浩さん)「どちらかというときゃしゃな感じで、積極的なお子さんではあったと思います。だけどがっつりここまでアーチェリーをするとはあまり思っていなかったですね」

自他ともに認める負けず嫌いな中西選手。約3年前、東京五輪出場をかけた最終選考会では5人中3人の代表内定の座を射止めることができませんでした。

(中西絢哉選手)「東京を最終選考で落としている中で、決めた選手たちが銅メダルを取ってきているのを見ている中で、あそこで(五輪の舞台で)戦いたかったなと思っているので、やっとスタートラインに立てたなと思っています」

(中西絢哉選手)「無事パリ五輪への出場枠を獲得することができました。ここで活躍できたのは、会社を始め多くの人のサポートがあってのことだと思います」

先月(1月)4日、仕事始めの日です。中西選手はシーアール物流の人事部に所属しています。職場では、職員に対して競技で培ったメンタルコントロールの取り組み方などを伝えています。

(シーアール物流 中西絢哉選手)「競技者として、というところから自分の中で研修で変わったことが紹介できればなと思って頑張っています」

五輪イヤーの今年の目標を漢字一文字で表現します。

(社員)「瞬間の『瞬』にしました」

職員が発表し合う中、中西選手が掲げた一文字は…

(シーアール物流 中西絢哉選手)「やっぱり自分の中で金を目指していきたいので「金」という漢字でいきたいと思います。悪い意味ではなく、自分をしっかり追い詰めるをテーマに頑張っていきたいなと思います」

パリ五輪で表彰台に立つために、中西選手は今、ある課題の克服に取り組んでいます。

手元のミリ単位のズレで矢の向きは数十センチも変わる…フォームの模索

(中西絢哉選手)「この冬はずっと打ち方を変えながら右肩の調整も含めて詰めていこうと思っていたので」

高校生の時に「右肩」を痛めて以降長年、痛みや違和感に悩まされているといいます。五輪に万全の状態で挑むため昨年11月から肩への負担が少ないフォームを探る日々が続いています。
アーチェリーは手元のミリ単位のズレにより的に向かう矢の方向が数十センチも変わる競技です。弓を引く力加減や左手の位置などベストなフォームを掴むため体勢を細かく調整していきます。

(シーアール物流 溝井利和アーチェリー総監督)「持ち手の肩の位置を変えたんやな」
(中西絢哉選手)「はい」
(溝井利和 アーチェリー総監督)「すぐわかった。」
(中西絢哉選手)「だいぶ変えましたからね」
(溝井利和 アーチェリー総監督)「これだというのを早く見つけて、それでしばらく打ち込んでマッチ戦で対戦して、これで勝てなかったら、メダルはとれないので。そこのメンタルの強さを磨いていかないといけないかなと思っています」

フォームの模索を続ける中、今月(2月)17日から2日間、長崎県で開催されたアーチェリー室内競技の全国日本選手権に挑みました。室内競技は冬の時期に行われる種目で、18メートル先にある的を狙います。パリ五輪では個人・団体の両方に出場する中西選手。この日は五輪の舞台でのライバルであり仲間でもある古川選手、斉藤選手も出場しました。

(中西絢哉選手)「調子は完璧ではないんですが、なんとなく探りながら、確認できたらいいかな」

時折、矢を放った後に肩を回すなどして感覚を確かめる中西選手。今回、結果は9位に終わりましたが、パリに向けて確かな手応えを得たと言います。

(中西絢哉選手)「アプローチの中で煮詰めていったら、今後、いい調子に持っていけるというところもあったので、パリに向けて肩の調子を確かめて、どういうアプローチにしようか決めようと思って来ていたので、そういう面ではしっかりと収穫があった」

団体メンバーは4月から開催される五輪の前哨戦となるワールドカップに参戦します。

(アーチェリーパリ五輪代表 古川高晴選手⦅近畿大学職員》)「(中西選手は)打つ順番が3番手で打ってもらう予定なので、その3番手で10点に決めれば、メダルがとれる。そういう場面でしっかり決めることを期待して、それが十分にできる選手だと思っています。今年夏までに3人の調子をしっかり上げて、もっとチームの力を強くして、この3人でパリでメダルをとれるように頑張りたいと思います」

(中西絢哉選手)「いろんな方から頑張ってと言っていただいて、すごく感謝していまして、パリではしっかりとアピールをして、みんなのエネルギーになったらなと」

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