厚労省の飲酒ガイドライン“ロング缶1本”に悲鳴「休肝日あればもっと飲んでいい?」疑問に回答

厚生労働省は2月19日、アルコールによる健康へのリスクを知って不適切な飲酒を減らすための参考となるよう、飲酒に関する初のガイドラインを公表した。

ガイドラインには疾病別の発症リスクと飲酒量についての記載があり、大腸がんは男女ともに週150g(1日20g)、脳梗塞については男性週300g(1日40g)・女性週75g(1日11g)以上の飲酒をすると、それぞれ発症等のリスクが高まると考えられていると例示されている。“純アルコール量”20gは、ビールロング缶1本(500ml)や日本酒1合(180ml)、ワインだとグラス2杯弱(200ml)に相当する。

この量について、ネット上には《少なすぎる……》《ほんまにこんなに少ないのか?》《こんなん居酒屋に飲みに行ったら かんぱーい! で終わりじゃない?》と、お酒が好きな人々からの悲鳴が上がっている。

また、ガイドラインでは1日の量が明記されているが、「休肝日を設ければその分たくさん飲んでいいの?」との疑問の声も。多くの報道では、女性の場合1日ビールロング缶1本までと参考例が出されているが、例えば1日休肝日を設ければ、次の日はロング缶2本まで飲んでいいということなのだろうか。厚労省の担当者に聞いてみた。

「まず、このガイドラインで示しているのは、女性の場合は1日20g以上飲むと健康リスクが高まるということで、20gまでなら“飲んでいい”ということではありません。これらの量の飲酒をしている者の減少を目標とした目安であり、これらの量は個々人の“ここまでなら飲んでいい”という許容量を示したものではないということです。

その上で、データはあくまで“1週間にどれくらい飲んだか”という統計が元で、1日の量を示したのは、わかりやすく日割りにしただけです。なので、我々としては“飲んでいい”という言い方はできませんが、休肝日を設けて週単位でトータル150g以下に抑えるという考え方もできると思います」

つまり女性の場合、週単位でトータルが150gを超えないようにすればいいという考え方で間違ってはいないようだ。ただし、ガイドラインには短時間で大量に飲むことは「様々な身体疾患の発症や、急性アルコール中毒を引き起こす可能性がある」として、1回の飲酒で純アルコール摂取量60g以上は、外傷の危険性も高めるものであり避けるべき」と明記されているので要注意だ。

「繰り返しますが、今回のガイドラインは、この量までなら飲んでいいという数値ではなく、例えばカロリーのように、“今日ちょっと取りすぎたから、明日は頑張って少し減らそう”と言ったように、飲酒をする場合には、お酒に含まれる“純アルコール量”を意識して健康へのリスクを高めないようにする“目安”として参考にしていただければと思います」(前出の担当者)

今や“カロリー制限”なんて当たり前。これからは“純アルコール制限”も常識になるのだろうか。

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