大里桃子、今シーズンは”第二章スタート”!

プロ入会から23日でツアー初勝利

23年はメルセデス・ランキング86位に終わりシードを逃した大里桃子が、クォリファイングトーナメントファイナルステージ(QT)で5位に入り、24年ツアー前半戦の出場権を手にした。

大里は1998年、熊本県生まれの25歳。8歳でゴルフを始めるとメキメキと頭角を現し、10年の九州小学生ゴルフ選手権春季大会、熊本県ゴルフ選手権で優勝。13年には熊本県ゴルフ選手権、熊本県アマチュアゴルフ選手権、14年はアジアパシフィックジュニアカップ、熊本県ゴルフ選手権、熊本県アマチュアゴルフ選手権、15年・熊本県ゴルフ選手権、16年・九州ジュニアゴルフ選手権とその後も勝利を重ねる。

熊本国府高校を卒業し、17年のプロテストに挑むも1打足りず失敗。だが同年のQTで16位に食い込み、翌年前半戦のツアーに出場する。
その18年は序盤から予選落ちが続き苦戦するも、7月に2回目のプロテストを受け、3位合格を果たした頃から成績上昇に転じる。

プロ合格後2試合目のNEC軽井沢72ゴルフトーナメントで11位。そしてその翌週、CAT Ladiesでツアー初優勝を飾ったのだ。
1988年のツアー制度施行後、入会から23日で初Vの最短記録を樹立。
98年度生まれの”黄金世代”では勝みなみ、畑岡奈紗、新垣比菜に次ぐ4人目の勝利となった。

4年続けたシードを手放し…

2019年以降も賞金シードを続け、21年5月のほけんの窓口レディースでツアー2勝目。前2週は2位と惜敗を続けていたが、”3度目の正直”で決めた。
だが、23年は大里にとって苦しいシーズンとなった。
開幕戦から4試合連続で予選落ち。
6月のリシャール・ミル ヨネックスレディスでようやく今季初のトップ10入を果たすが、同時に今季最後のトップ10となった。
出場35試合のうち決勝ラウンドに進んだのは12回。6〜8月に6試合連続、10〜11月にも5試合連続で予選落ちを喫するなど、1年を通じて調子が上がることはなかった。
23年のメルセデス・ランキングは86位。17年以来、6年ぶりのQTに挑むこととなった。

持ち球を変えて光明が見えた

シーズン後半戦の大里はQTを念頭に戦っていたと言い、その言葉通り、ファイナルステージを5位でフィニッシュ。24年シーズン前半戦に出場できる権利を獲得した。

インスタグラムで
”QTは初年度以来、その時よりも今までのどんな試合よりも長く感じた4日間でした。”
と振り返った大里。

これまでで一番気合いを入れて練習し、シーズンを迎えたにもかかわらず、序盤から予選落ちの繰り返し。ショットはどんどん曲がり始め、パーオンできず、アプローチも気持ちよく打てず、残るのはシビアなパーパット。そのパットも一筋違いで入らず……。
最後はメンタルもボロボロになったという。
だが、試しに持ち球のドローをフェードに変えてみたのをきっかけに上昇の兆しを見せ、シーズン終盤には自信を持ってプレーできるように。
そして、QTを上位で通過することができた。
インスタグラムを”ここから大里桃子の第二章スタートです”で締めくくったように、生まれ変わった大里の今シーズンの戦いを見守りたい。

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