FIAスポーティングディレクターを辞任したスティーブ・ニールセンが新会社を設立。F1側に物流などの管理を助言

 1月8日シングルシーター部門のスポーティングディレクターを退任したスティーブ・ニールセンは、約1年間にわたるディレクター業の辞任をFIAに提出したのちも、長い間続けてきたF1界での仕事からは離れていなかった。

 以前まで勤めていたチームマネージャーの務めにおいて、彼は自身のコンサルティングカンパニーを設立し、すでにF1との仕事を始めている。彼の豊富な経験を活用して、主に物流などの管理面においての助言を行いながら、F1というスポーツの管理における問題を改善する手伝いを行っているようだ。

 80年代半ばに、チーム・ロータスのスペアパーツマネージャーとしてF1キャリアをスタートさせたニールセンは、40年近くにわたってこのスポーツに関わってきた。

2008年F1日本グランプリ ルノーチーム代表を務めていたフラビオ・ブリアトーレ(左)と、マネージングディレクターを務めたスティーブ・ニールセン(右)

 これまでに、ティレルからアローズまで、数多くのチームで働き、1999年シーズン中に中止されたホンダの新チームに短期間在籍した後、ベネトンとルノーに移り、そこで10年近くを過ごした。

 そして迎えた2008年のクラッシュゲート事件の余波で、ニールセンはチーム首脳がメンバー全員を失望させたようなチームには残りたくないと決意し、トロロッソ、ケータハム、そしてウイリアムズを渡り歩き、一時的にF1から離れて休養を取ることを決めた。

2016年F1マレーシアグランプリ ウイリアムズF1のスポーティングマネージャーを務めたフラビオ・ブリアトーレ(左)と当時在籍していたバルテリ・ボッタス(右)

 しかし、新型コロナウイルス感染症関連の非常に厳しいシーズンを迎えたF1は、彼の豊富な経験を強く求めて彼を再びシリーズ内に呼び戻した。そしてニールセンは、配達の専門家であるDHLと緊密に協力して運営を主導。グランプリレースを継続させることができた重要人物の一人となった。

 彼の成功により、スポーティングディレクターへの昇進が急速に進んだが、最終的にニールセンはそれを了承し、FIAの仕事を引き受けた。そして、新シーズンの開始時に発効する新しいスポーツ規則をまとめる責任を負うことになる。

F1のドメニカリCEO(右)とFOMのスポーティングディレクターを務めたスティーブ・ニールセン(左)

 しかしながら、ニールセンはFIAで働いていくなかで、これまでにF1や各チームとともに行ってきた仕事に比べて、非効率的な働きを求められ、非常に厳しい仕事をこなさなければならなかったことを感じたようだ。

 また彼は、過去38年間続けてきた仕事として、ヨーロッパ以外のいくつかのサーキットとも契約を結び、グランプリレースで求められる新しい基準に合わせ、サーキットの施設をアップグレードする方法についてアドバイスも行っていくことで、F1界での仕事を続けていくことだろう。

2024年F1バーレーンテスト メルセデスのスポーティングディレクターであるロン・メドウズ(右)と話すスティーブ・ニールセン(左)

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