肺がんの次に死亡者が多い「大腸がん」の発生メカニズム解明、新薬開発に可能性…福井大学などの研究チーム

大腸がん発症につながる「がん幹細胞」の発生メカニズムを説明する青木教授=2月6日、福井県福井市の福井大学文京キャンパス

 福井大学医学部の青木耕史教授(薬理学)らの研究チームが、大腸がん発症につながる「がん幹細胞」の発生メカニズムを解明し、幹細胞のもとになる遺伝子群を作る酵素の働きをタンパク質の複合体が促進させていることを突き止めた。既存の抗がん剤が効きにくく、再発の原因にもなっているがん幹細胞に影響する物質が分かり、その働きを抑制する新薬開発の可能性を示す成果という。

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 国立がん研究センターの統計などによると、2021年の国内の大腸がんによる死亡者数は5万2千人余りに上り、肺がんに次いで2番目に多く、女性に限ると最も多い。がん幹細胞の発生にタンパク質の一種「ベータカテニン」が作用していることは知られていたものの、その仕組みは未解明だった。

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