2024年1月に新NISAがスタートしたことで、新NISA対象の公募株式投資信託への資金流入額が約1兆3,700億円になったことが報じられています。この資金流入額は公募株式投信全体の流入額である1兆4200億円の96%を占めており、新NISAで投信を買っている方が圧倒的に多いことが見て取れる数字と言えるのではないでしょうか。
その中でも特に人気と言えるのが約3400億円の資金流入額となるeMAXIS Slimシリーズです。
投信ブロガーランキングで人気のeMAXIS Slimシリーズ
三菱UFJアセットマネージメントが運用するeMAXIS Slimシリーズは、個人投資家が投票するファンドのランキングである、「投信ブロガー選ぶ!Fund of the Year 2023」 (2024年1月20日発表、2007 年から17 回開催されています)にて、10位の中に5本も入っています。今回は業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続けるというコンセプトのeMAXIS Slimの人気の5本のファンドおよび、新たにリリースされるeMAXISのファンドについてもご紹介します。
まずはeMAXIS Slimシリーズで「投信ブロガー選ぶ!Fund of the Year 2023」のベスト10にランクインしているファンドから。
【第1位】eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) は5年連続で「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」で1位を獲得しています。1本で全世界の株式に分散投資できる投資信託で、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスは、MSCI社が開発した株価指数で
日本を含む先進国および新興国の大型株・中型株(約3,000銘柄)で構成され、世界各国市場の時価総額約85%をカバーしています。新興国の大型株・中型株約3000銘柄に分散投資できて、つみたてNISAやiDeCoの対象商品となっています。
購入時申込手数料は無料で、信託報酬は年率0.05775%(税込)という、業界最低水準の運用コストです。
【第3位】eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)はS&P500指数に連動することを目指す投資信託です。S&P500指数とは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が公表している、米国株式市場の株価指数のひとつで、S&P500に組み込まれる銘柄は米国企業のなかで時価総額が53億ドル以上、浮動株が発行済株式総数の50%以上、四半期連続で黒字利益を維持という条件が公開されています。その条件を満たした銘柄の時価総額で加重平均し指数化、銘柄入れ替えを年4回検討するものがS&P500です。米国株式市場全体に対して約80%の時価総額比率を占めており、米国市場全体の動きを概ね反映している指数と言えます。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の運用コストも業界最低水準。2024年1月末日時点での純資産総額は約34,314億円で、信託報酬は年率約0.0927%(税込)となります。
【第5位】eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
日本を除く先進国および新興国の株式市場の値動きに連動する投資成果を目指すファンドです。オールカントリーから日本を除いたものと考えればわかりやすいかと思います。なお、eMAXIS Slim 全世界株(オール・カントカントリー)のうち日本の割合は5.5%(1月19日時点)です。信託報酬は年率0.05775%以内(税込)です。
【第6位】eMAXIS Slim先進国株式インデックス
同ランキングで2018年は1位を取ったファンドです。日本を除く先進国株式に低コストで投資できるインデックス型投資信託です。MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)と連動し、日本を除く先進国の株式市場の値動きに連動する投資成果を目指します。全体の約7割を米国に投資しているのが大きな特徴です。米国を主として20カ国以上の先進国に分散投資が可能で、アメリカだけに投資するのは不安だけど、日本や新興国への投資は不要という戦略の方におすすめです。信託報酬は年率0.09889%以内(税込)です。
【第9位】eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
日本や世界の株式、公社債および不動産投資信託証券(リート)の計8資産に分散投資できるファンドです。以下の8つの資産に均等に投資し、合成指数に連動する投資成果を目指します。
(1)国内債券:NOMURA-BPI総合、(2)先進国債券:FTSE世界国債インデックス(除く日本)、(3)新興国債券:JPモルガンGBI-EMグローバル・ダイバーシファイド、(4)国内株式:東証株価指数(TOPIX)、(5)先進国株式:MSCI コクサイ インデックス、(6)新興国株式:MSCI エマージング・マーケット インデックス、(7)国内リート:東証REIT指数、(8)先進国リート:S&P先進国REIT指数(除く日本)
新登場のeMAXIS インド株式インデックス
これらの5つに加えて紹介したいのが、新たに2月22日に三菱UFJアセットマネージメントが設定したeMAXIS インド株式インデックスです。インドの代表的な株価指数であるNifty50に連動する成果を目指すファンドとなっており、新NISA成長投資枠の対象です。人気のeMAXIS Slimシリーズと組み合わせることを想定しているようです。
インドは昨年中国の人口を抜き世界最多の人口を持つ国になったわけですが、2040年代まで人口が増え続ける見通しで、若い人が多くこれから人口ボーナスが見込まれます。また経済の高度化などを背景に、インドでは購買力が高いとされる中間所得者層も増加傾向にあるうえ、インドの1人当たりGDPは中国やロシア、ブラジルなどと比べても大幅に低い水準で経済成長期はまだ初期段階だといえることや、科学などの技術力があることも魅力です。中長期的にはインドに投資する優位性はあると考えます。
eMAXIS インド株式インデックスは信託報酬率は年率0.44%以内(税込)で最低水準というわけではありませんが、既存のインド株インデックスファンドのなかではやや安いという水準となっています。
三菱UFJアセットマネージメントのファンドの設定のニュースは引き続き投資家に注目されるのではないでしょうか。
皆様の投資の参考になれば幸いです。
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