「2000円札」すっかり忘れられた存在に 若者は見たことある? 今も手に入るの?

新札の発行が2024年7月3日に迫っている。一方、存在を忘れられてしまっている通貨が存在する。2000円札だ。

各報道によれば、2000円札は、2003年度までに約8億8000万枚が製造・流通。流通量は04年の約5億枚をピークに減少し、近年は1億枚弱で推移している。

日本銀行の公式サイトによると、2023年の大みそ日、家庭や企業、金融機関などで年越ししたお札は合計124.6兆円、枚数で185.4億枚だった。つまり、2000円札の総量は日本の全通貨の0.5%ほどでしかない。となれば、20代以下の若い人は「見たことがない」かもしれない。

「お年玉としてもらった」「祖母の部屋を掃除していたら出てきた」

J-CASTニュースBiz編集部は20代4人、30代1人に2000円札について聞いた。

まず全員が、「2000円札を見たことがある」と回答。最後に見たのはいずれも「5年ほど前」とのことだった。目撃したのは、「飲み会の精算で友人から受け取った」「バイトをしていた時に、客が出してきた」と、他者が使うケースが聞かれた。

このほか、「小遣いとしてもらった」「お年玉としてもらった」「祖母の部屋を掃除していたら出てきた」と、自身よりも年上の人物が関わっている場合。ほか、「7000円をATM(現金自動預け払い機)から引き出した際、うち3枚が2000円札だった」との報告も寄せられた。

とは言え近年、日常生活の場面で2000円札が潤沢に出回っている印象はない。みずほ銀行広報部に「どうすれば入手しやすいか」という趣旨で質問すると、答えは「銀行として答えられることはないかと思われます」というものだった。

沖縄県の流通量は右肩上がり

ただ、日本銀行がネットで公開しているデータを見ると、興味深い数字が出てきた。「全国と沖縄県内の二千円札発行高推移」という資料だ。2000円札の流通が始まった2000年7月から2024年1月までの流通量について、全国と沖縄県内の値がグラフ化されている。

全国における流通量は、2006年あたりから急落し、2014年ごろからは1億枚を下回っている。一方、沖縄県内の流通量は流通開始から常に右肩上がりで、2024年1月には800万枚を超えているのが分かる。

なお先述の「ATMから3枚出てきた」との証言者によると、場所は沖縄県内だった。

(J-CASTニュースBiz編集部 坂下朋永)

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