くす星翔中、数学の苦手克服へ「未来塾」 元大学教授らボランティアが週1回開講【大分県】

放課後の教室で3年生を指導する梅木洋一さん(中央)=玖珠町のくす星翔中
ボランティアで講師を務めるメンバー

 【玖珠】玖珠町帆足のくす星翔中(359人)で週1回、数学の苦手克服を目指す「未来塾」が開講されている。元大学教授や元教員ら8人がボランティアで教え、受講は無料。放課後の校内で定例的に「塾」を開く取り組みは珍しく、学校や生徒は大歓迎。講師たちも「教えながら元気をもらい、生きがいになっている」と話す。

 塾は同校学校運営協議会(梅木洋一会長)の外部組織という位置付け。2021年度に3年生向けでスタートし、22年度から全学年に広げた。6~8月は2年生、9~11月は1年生、12~2月は受験を控えた3年生を対象に指導している。

 梅木会長(76)も講師の一人で、「自己責任、完全ボランティアという原則で、全員が楽しんでいる」。元大学教授の久保喜延塾長(77)は「回を重ねるごとに生徒の計算力が上がるのが喜び。若者と話すと元気をもらえるし、やりがいは大きい」という。

 1月下旬の未来塾では、3年生が過去の高校入試問題などに取り組んだ。1~4人ずつ教室に分かれ、質問があれば講師がすぐに解説。佐藤至恩さん(15)、相良怜生さん(15)、渡辺優真さん(15)は「繰り返し解くことで定着してきたと感じる。後輩たちにも積極的に受講してほしい」と声をそろえた。

 本年度の受講者は各学年とも30人前後。山香昭校長は「教員以外からの指導は新鮮で、受験や進路についても違う角度から助言をもらえる。地域の方々と触れ合い、つながりを感じられる良い機会にもなっている」と感謝する。

 梅木会長は「星翔中には未来塾があると、まずは生徒たちにきちんと知ってほしい。来年度以降も続け、たくさんの生徒に数学の楽しさを伝えたい。一緒に頑張る仲間も増やしたい」と話している。

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