藤原紀香が最強のゲームチェンジャー『離婚しない男』篠田麻里子の濡れ場に食傷したところで新キャラ投入の “攻めつよ” 脚本

藤原紀香がいい意味でヤバすぎる。ゲームチェンジャーとして、これ以上ないほどの破壊力を見せつけている。

2月17日(土)深夜に第5話が放送された伊藤淳史主演『離婚しない男-サレ夫と悪嫁の騙し愛-』(テレビ朝日系)。

放送作家・脚本家として30年以上トップランナーとして走り続けてきた鈴木おさむ氏が、引退前の最後の地上波ドラマとして脚本を手がけている本作だが、やはりバズらせることに関しては天才的である。

■篠田麻里子の濡れ場もさすがに食傷気味

物語は、妻・綾香(篠田麻里子)の不倫に気づいた夫・渉(伊藤)が、幼い娘の親権獲得にできるだけ有利な状態で離婚するため、妻の浮気に気づかぬフリをしながら証拠を収集していくブラックコメディ。

もっとも話題になっているのは、篠田演じる妻と、小池徹平演じる不倫相手による激しすぎる濡れ場。2人のラブシーンはとにかく濃厚なのだが、それだけでなく「1兆万倍いい~!」「スロウ? orクイック?」といった、ぶっ飛んだセリフの数々が毎回SNSを賑わせている。

その勢いはデータにも如実に表れており、TVerなどの見逃し配信で、第1話がテレ朝の全番組で歴代最速となる19日間で625万再生を記録。さらに2月21日の段階で、第1話から5話の累計が2000万再生を超えているのだ。

とはいえ、話題の中心が篠田&小池の変態プレイだけでは一本調子になり、後半で失速するのではないかという懸念も。実際、第4話までは、たしかにあの手この手の濡れ場でネットは盛り上がったが、正直、食傷気味でお腹いっぱいになってきた。

■52歳とは思えないフェロモンがムンムン

しかし、さすが鈴木おさむ。そんなことは百も承知で想定済みと言わんばかりに、第5話に濃すぎる新キャラを投入してきた。それが、藤原紀香演じるクセの強い謎の美女・ナオミである。

第5話終盤で、渉と綾香が住むマンションの隣り部屋に引っ越してきたと思ったら、さっそく渉に急接近。

胸元がばっくり開いて谷間が見えるセクシーな赤ワンピ姿で現れたナオミ。引っ越しのあいさつの手土産として持参したカマボコを、「めっちゃ “ぶりんぶりん” でおいしいんです」とエロい口調で語り、口元がアップになり舌でぺろりと唇を舐める。

そして急な偏頭痛で倒れ込みそうになると、渉に抱き支えてもらって密着。偏頭痛はウソで、渉を誘惑しているのではないかと思えるが、とにかくすべての振る舞いにフェロモンがムンムン。

藤原紀香のグラマラスボディと妖艶すぎる所作からあふれ出るセクシーさは、とても52歳とは思えない。

藤原は、本作のテイストに合わせるように、シリアスを排除してコントのようなコミカルな演技に振り切っている。出演したのは1分半ほどとわずかだったが、インパクトは絶大で、早くもそのオモシロお色気キャラがSNSでバズッている。

それまでネットを盛り上げていた中心は篠田&小池だったが、いきなり話題をかっさらった藤原。脚本の “攻め” が強すぎる。

■作品が大きくゲームチェンジしそう

今作は特にキャスティングが重要とのことで、ゲスな妻役に篠田を起用するよう提案したのは鈴木氏本人だったとのこと。そのため、藤原を推したのも鈴木氏という可能性は十分ある。

藤原起用の経緯はどうあれ、篠田&小池の濡れ場にマンネリ感が出始めていた頃合いだったため、人選と投入のタイミングがこれ以上ないほど抜群だった。

しかも、ナオミは、作品を大きくゲームチェンジしそうだ。というのも、これまでは妻と間男の不倫の証拠を主人公が掴もうとする構図だったが、今夜放送の第6話では、主人公とナオミが逢引きしている様子を、妻が隠れて探る構図になるようで、立場が逆転している。

妻と間男の不貞を目の当たりにした渉は嫉妬心に駆られ、まだ綾香を愛しているのだと気づく描写があったが、渉とナオミのいちゃつきを見て、綾香にも嫉妬心が芽生え……なんて展開もありそう。

ナオミが最終話までレギュラー出演するのか、それともあくまでゲスト出演なのかはまだわからない。いずれにせよ、藤原紀香のクセ強なフェロモン演技の真骨頂を拝みたいなら、今夜放送の第6話は必見である。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』にて恋愛コラムを連載中。ほかに『現代ビジネス』『文春オンライン』『集英社オンライン』『女子SPA!』などにコラムを寄稿

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