中国本土から香港・マカオへの個人観光旅行が拡大に

マカオと中国本土の主要な陸路の玄関口のひとつとなる關閘イミグレーション施設(資料)=2024年2月(写真:マカオ治安警察局)

 中国本土から香港・マカオへの「自由行」と呼ばれる個人観光旅行スキーム(Individual Visit Scheme=IVS)の対象地域に青島市(山東省)と西安市(陝西省)が追加されることが明らかとなった。

 中国の国家出入境管理局が23日午後に発出した公告によれば、両市でIVSが申請可能となるのは今年(2024年)3月6日からとのこと。種類は香港旅行が3ヶ月1回、3ヶ月2回、1年1回、1年2回、マカオ旅行が3ヶ月1回、1年1回で、それぞれ毎回の滞在期限は7日以内という。

 IVSは中国本土居民が個人観光旅行スタイルで香港またはマカオを訪問できる政策のひとつで、SARS(重症急性呼吸器症候群)の流行で大打撃を受けた香港・マカオの観光業の支援などから2003年6月に中国中央政府が発表し、同年7月に広東省の4都市(東莞市、中山市、江門市、仏山市)からスタート。以降、2007年初頭にかけて段階的に49都市まで拡大。今回の拡大は実に約17年ぶりで、対象地域は両市を加えて合計22省市区の51都市となる。

 中国本土の対象地域の居民にとって、IVSによって比較的簡単な手続きで香港・マカオへ個人観光旅行へ出かけることができるようになり、両地のツーリズム業の発展に大きく寄与している。参考までに、アフターコロナ初年となる昨年の中国本土からマカオを訪れた旅客数は延べ1904万9147人だったが、このうちIVS旅客が58.2%を占めた。

© 大航海時代新聞出版社有限公司