海外旅行は「片道航空券」だと搭乗拒否される!? 問題なく搭乗できる場合はあるの? 筆者の実体験を踏まえて解説!

片道航空券で海外に行けるかはケース・バイ・ケース

片道航空券で違う国へ行こうとした際、「その国を出国する航空券または交通機関のチケット」の提示を求められるかどうかは「航空会社」「国籍」「渡航先」「入国審査官の判断」などによって変わってきます。

その入国者(旅行者)がいつ帰国するのかが不明で、不法滞在をするのではないかと、入国される国が疑いを持つ可能性があります。

旅客が入国拒否を受けた場合、航空会社はその国から離れるための運送義務を負わなければなりません。そのため航空会社としては、入国拒否された人物の運送費を支払うリスクを避けるため、あらかじめ出国チケットを持っているかを確認する場合があります。

しかしながら、片道航空券だけでの入国に関しては明確な基準を定めていないケースが多く、渡航者からしてみれば分かりにくい状況になっているのが現状です。

筆者が経験したさまざまな事例

40ヶ国以上を渡航した筆者の経験上、入国審査で「滞在目的」「滞在日数」「滞在場所」などを聞かれたことはあるものの、現地出国の航空券を持っているかを確認されたことはありません。

現地出国の航空券の提示は、主に日本から出発する際に航空会社のカウンターで求められるケースが多くありました。とはいえ、今ではオンラインチェックインや空港の自動チェックイン機もあるため、預け荷物がなければチェックインカウンターに行かずに出国することも可能です。

しかし、筆者は1度出国審査を通った後に搭乗ゲートで名前を呼ばれ、渡航先の出国航空券を持っているか尋ねられたことがありました。その際は片道航空券しか持っていませんでしたが、日本出国後の具体的な旅程を説明すると、追加で航空券を買わずに飛行機に搭乗できたことがあります。

また、「外国→外国」というルートを飛行機で移動しようとした際に、出国のチケットを手配しているかを聞かれたこともありました。その際は片道航空券しか持っていなかったため、航空会社のスタッフから第三国行きの航空券を購入するように指示されました。

海外の国内線においても、大陸から離れた島に行く場合は復路の航空券の提示を求められました。その際は片道航空券しか持っていなかったため、その場で復路の航空券を購入してから出発したのです。

筆者の経験からも分かるように、片道航空券だけで飛行機に搭乗できるかどうかは状況次第で大きく変わります。

念のため対策を考えておくことが大切

海外旅行に行く際、渡航先の出国チケットの提示を求められるかどうかはケース・バイ・ケースです。とはいえ片道航空券しか持っていないせいで、搭乗を拒否されるのは誰もが避けたいでしょう。

そのため、できる限り出国航空券を用意しておいた方が安心です。どうしても先の予定が決められず、片道航空券だけで行きたい場合は「キャンセル可能な航空券を購入しておく」「バスや電車など、陸路で出国できるチケットを安い価格で購入しておく」といったことが有効です。

そのほか、「航空会社のポリシーを確認しておく」「目的地の入国要件を把握しておく」ことも、トラブルを未然に防ぐためには大切です。

まとめ

繰り返しになりますが、片道航空券で飛行機に搭乗し、入国できるかの基準はグレーゾーンです。仮に渡航先からの出国チケットを購入していなかったせいで「入国拒否された」「飛行機に乗れなかった」となっても、自己責任となるので注意しましょう。

そのため、片道航空券で出国しようと考えているのであれば、あらかじめ対応策を練っておくことが大切です。

出典

出入国在留管理庁 出入国審査・在留審査Q&A
ドイツ連邦共和国大使館総領事館 Q3:ドイツへの渡航について
アエロメヒコ航空 入国条件

執筆者:山本峻
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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