レジェンド、笑顔の結果 距離成年女子B・青木選手が7位入賞

距離成年女子Bのゴール後、他県選手と笑顔で言葉を交わす青木富美子選手(中央、真室川レーシングチーム)=上山市・坊平高原クロスカントリー競技場

 上山市で23日に行われた国民スポーツ大会冬季大会スキー競技会「やまがた雪未来国スポ」の距離成年女子B5キロクラシカルで、青木富美子選手(57)=真室川レーシングチーム=が7位入賞を果たした。五輪は3大会に出場し、今大会は国民体育大会から数え33回目。「スキーは生活の一部」。楽しみながら競技者としての力を磨き続け4年ぶりに入賞の結果を残し、祝福を受けて笑顔が輝いた。

 アルベールビル(1992年)、リレハンメル(94年)、長野(98年)と冬季五輪に連続で出場。第一人者として輝かしい成績を収め、第一線を退いた後も国体を中心に活躍した。勤務する新庄神室産業高真室川校では7年前にスキー部が休部し、現在は他運動部の顧問を務めている。

 この日は日本代表時代のチームメートに再会し、レース中は全国の競技関係者から声援を浴びた。「懐かしい人たちが応援してくれて、うれしくて楽しいレースだった」。ゴールした青木選手の元には、彼女を慕う同走選手が次々と集まった。抱き合い、健闘をたたえ合う。充実した表情を見せる青木選手。囲んだ後輩選手たちのうれしそうな顔が、青木選手の存在の大きさを示した。

 「レジェンド」「大ベテラン」。そう呼ばれることについて青木選手は、「世界にはもっとすごい人がいる」と謙遜した。来年も出場するのかと問われると、「やれる限りはやるけれど、こればかりはどうなるか分からない」と笑った。自然体で競技と向き合い、本県スキー史に足跡を残してきたアスリートは、これからもその姿で後輩たちに勇気を与えてくれそうだ。

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