春から社会人になります!大学生の時に奨学金を月に4万8000円借りていたのですが、返済にはどれくらいの期間が必要でしょうか?

月4万8000円の奨学金を返すには約14年かかる

奨学金を月に4万8000円借りる場合、借入額は48ヶ月で230万4000円になります。230万4000円を返済し終えるにはどれくらいの期間が必要なのか、第一種奨学金(無利息・貸与型)と第二種奨学金(利息付・貸与型)に分けて見ていきましょう。

・第一種奨学金(無利息・貸与型)を借りた人の場合
借りた230万4000円を、定額返還方式で2024年10月から返し始めた場合、返済し終えるのは2038年9月です。月の返済額1万3714円(最終返済のみ1万3762円)、返済回数168回で、返済し終えるまでに約14年かかる計算になります。

・第二種奨学金(利息付・貸与型)を借りた人の場合
第二種奨学金(利息付・貸与型)として借りた230万4000円を定額返還方式で返す場合も、返済し終えるまでにかかる期間は約14年ですが、利息分が返済額に上乗せされます。

利率固定方式の利率が0.369%のケースでは、月の返済額は1万4097円(最終返済のみ1万4266円)、返済総額は236万8465円です。利息分が上乗せされ、もともとの借入額である230万4000円から約6万円増える計算になります。

奨学金を借りた人の返済期間は平均で14.5年

労働者福祉中央協議会が2022年9月に実施した「奨学金や教育費負担に関するアンケート報告書」によると、奨学金を借りた人の返済期間は平均で14.5年でした。230万4000円を約14年かけて返し続けるとなると、途方もない目標のように見えますが、平均と比較してみると決して長すぎない返済期間ということが分かります。

また、毎月の返済額は平均で1.5万円となっています。返済期間と毎月の返済額、両方の観点から見ても、月4万8000円で借入総額230万4000円という奨学金は平均的です。

返済が難しいときに利用したい制度

約14年の返済期間は、あくまでも毎月滞りなく返済し続けた場合の目安にすぎません。実際には、病気やけが、災害などで返済が難しい状況に陥る可能性を考慮する必要があります。そのようなときに利用したいのが、減額返還制度や返還期限猶予制度です。

例えば、減額返還制度を利用すれば、毎月の返済額を2分の1または3分の1に減額でき、負担を軽くしながら返済できます。利用にあたっては収入・所得金額や適用期間に条件が定められていますが、返済が難しい人は検討してみてはいかがでしょうか。

返済が滞ると延滞金の発生や保証人への催促などのトラブルに発展する恐れがあるため、早めの相談・手続きを心がけることが大切です。

奨学金の返済には10年以上かかる場合が多い!借りすぎには注意しよう

奨学金は無利息または低利息で借りられるといっても、借入額が数百万円になれば返済期間が10年を超えるケースも珍しくありません。毎月の返済額や返済期間をしっかりとシミュレーションしたうえで、本当に必要な額だけを借りるように心がけましょう。

出典

労働者福祉中央協議会 奨学金や教育費負担に関するアンケート報告書

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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