タンス預金が税務署にバレたらどうなるの? 「追徴課税」とは何?

追徴課税について

追徴課税とは、申告漏れや不足分が見つかった際に追加で徴収される税金のことです。税務署は正当な税金を徴収するために、未納分に対して加算税と延滞税を課します。特に、相続税に関する申告不備が見つかった場合、その影響は甚大です。加算税にはいくつかの種類があり、それぞれ申告の状況に応じて異なります。

これらの追徴課税は、税務調査が行われた後、通常1~2年以内に発覚することが多く、申告不備が発見された納税者には大きな負担となります。したがって、税務申告に際しては正確性を期して行うことが、追徴課税を避ける最も確実な方法です。

・無申告加算税

申告義務があるにもかかわらず申告されなかった場合に課され、通常の加算額は納付すべき税金の一定の割合です。相続税で50万円の申告漏れがあった場合、15%の無申告加算税が課せられ、追加で7万5000円の税金が要求されることになります。

・過少申告加算税

申告はされたものの実際よりも少ない金額が申告された場合に適用されます。この場合、不足分に対して10%の追徴が一般的です。実際には100万円の相続税が発生しているのに対し、50万円しか申告されなかった場合、50万円の不足分に対して10%の加算税、つまり5万円が追加で課されることになります。

・重加算税

故意に税金を脱税した場合に課せられるもので、この税率は非常に高くなっています。例えば、故意に相続財産を隠して100万円の税金を脱税した場合、その40%にあたる40万円が重加算税として課せられることもあるのです。

・延滞税

納税が遅れた場合に課される利息のようなもので、納付期限の翌日から支払日までの期間に応じて計算されます。この税率は変動するため、具体的な金額は納付期限などによって異なります。

タンス預金のリスクとは?

自宅での現金保管は、通称「タンス預金」と呼ばれています。この問題点について考えてみましょう。まず、自宅に現金を置いておくことで、盗難や火災、洪水などの災害により資産を失う可能性があります。

さらに注意すべき点は、納税にかかわる問題です。相続税の申告を避けるためにタンス預金として資産を保有していると、税務署に発見された際に重大な結果に直面することになります。

税務当局は、相続人の口座や資産の動きも細かく調査し、隠された資産を見つけ出す能力を持っています。

例えば、被相続人の死後、相続人が突然大金を銀行口座に預けると、その出どころについて税務調査が行われることがあるのです。

それが申告されていない資産であった場合、相続税の申告漏れとして、その金額に対して追徴課税や罰金が科されることがあります。加算税や延滞税が課され、状況によってはさらに重い罰則が適用されることもあるでしょう。

タンス預金は税務上の問題に注意

タンス預金は、一見すると税務上の問題を回避できる方法に思えますが、実際には多くのリスクが伴います。税務調査により発覚した場合、追徴課税や刑事罰の対象となることもあるのです。

安全に見える貯蓄方法も、法的な観点から検討することが重要です。最終的には、正当な方法で資産を管理し、申告することが、最も賢明な選択といえるでしょう。

出典

財務省 加算税の概要
国税庁 No.9205 延滞税について

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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