“ワイン通”っぽくなれるだけでなく、「味わい」にも影響する?…自宅に揃えたいワイングッズ【ワインエキスパートが解説】

「ワインはハードルが高い…」と考える人は少なくないでしょうが、その要因の1つがコルク栓だとしたらもったいない! 初心者でも簡単に開栓できるグッズは数多くありますし、それらがテーブルに並べば一気に“ワイン通”っぽくもなれるのです。本記事は、Tamy氏の著書『世界一おいしいワインの楽しみ方』(三笠書房)より一部を抜粋し、ワインをより身近に楽しむためのワイングッズの数々を、イラストとともに紹介していきます。

熟成を助けるコルクの役割

コルクの樹皮をはいで、加工したものがコルクです。弾力性があり、水に強くほとんど空気を通さないので、ワインの長期保存に適しています。高級ワインほど長期熟成させるため、コルクは長くなるものです。

コルク栓は天然素材であるため、細菌汚染されていることがあり、塩素消毒で化学反応を起こしてコルク臭(ブショネ)の原因となることがごく稀にあります。レストランなどで行うテイスティングは、このコルク臭や劣化がないか、健全なワインなのかを確認するために行う作業です。

一口に「コルク」と言っても、形状・材質はさまざま

コルク栓以外では、コルクのチップを固めた圧縮コルク栓や、シリコンなどで作られた合成栓、最近ではスクリューキャップもよく使われています。これらはコルク臭のリスクがなく、コストが抑えられるのが大きなメリットです。

「スクリューキャップ」や「王冠」が用いられることも

特にスクリューキャップは、空気を通さず乾燥を気にする必要がない上に、オープナーがなくても簡単に開けられるため、現在世界中のワインで採用されるようになっています。

あると便利なワイングッズ

世界的にスクリューキャップは増えつつありますが、ボルドーブルゴーニュといった銘醸ワインはもちろん、まだまだコルク栓を使っているワインが主流です。

とはいえ、「ワインはハードルが高い……」と思う理由が、コルク栓だとしたらとてももったいない話。使いやすいワインオープナーを1つ用意するだけで、コルク栓のワインも非常に手軽に扱えるようになります。

ワインオープナーには、T字型ソムリエナイフウイング式スクリュープル、穴を開けずにコルクを抜く二枚刃式などがありますが、まずはざっくりとそれぞれの特徴を紹介しましょう。

ソムリエナイフは、コルクスクリューとキャップシールなどをはがすナイフが一体となったタイプのもの。レストランやワインバーなどでソムリエが開栓する姿は、儀式のような雰囲気があり、飲む前からワクワクさせてくれますね。

ソムリエナイフで有名なブランドは、フランスの「シャトーラギオール」。ハンドルの部分に、木や水牛の角などが使われており工芸品のような佇まいです。

さまざまなワインオープナー

とはいえ、ソムリエナイフは上手く扱うのにコツがいるため、あまり初心者向きではありません。

簡単に開栓できてオススメなのは、スクリュープル。キャップシールを外したら、コルクスクリューを刺し込んで上部の取っ手をクルクル回すだけで開栓できます。私は20年前にドイツの蔵元が使っているのを見て現地で購入し、今でもそれが我が家では現役です。

初心者でも簡単に開栓できるスクリュープル

グラスやオープナーを揃えたら、次に気になるのはワインクーラーデカンタでしょう。

ワインクーラーは、白ワインやスパークリングワインを冷やすときに使うものですが、テーブルにあるだけで“それっぽい”雰囲気になるアイテムでもあります。スチール製やプラスチック製のワインクーラーは、おうちでも扱いやすくてオススメです。

テーブルにあるだけで“それっぽい”雰囲気を醸し出すデカンタとワインクーラー

デカンタは、瓶内に澱が沈殿している年代モノの赤ワインなどを、澱を残して移し替えるために使われる容器です。また、ボトルから移し替える際にワインを空気に触れさせることで、“閉じているワインの香りを引き出し、まろやかな味わいにする役割もあるアイテム。

こうしたグッズを揃えれば一気に“ワイン通”っぽくなりますね。

【Column】コルクが途中で割れてしまったら

使い慣れないオープナーの場合、開栓している最中でコルクが割れてしまうこともあります。そんなときは、ソムリエナイフやT字オープナーのコルクスクリューを割れた箇所にそっと刺して回し、ゆっくりと引き抜きましょう。

それでも取れない場合は、残ったコルクを瓶の中にゆっくり押し込み、ボトルの中に落としてしまう方法もあります。その場合は、コルク屑くずが入らないようにデカンタなどにワインを移しましょう。コーヒーフィルターや茶こしを使うと、細かい屑も取り除けます。

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