電気自動車のバッテリー寿命は何で決まる? 長持ちさせる方法はあるの?

バッテリーの基礎知識

電気自動車に搭載されるバッテリーは、リチウムイオン電池が一般的です。これらの電池は正極と負極、それらを隔てるセパレータ、そしてリチウムイオンを移動させる電解液から成り立っています。

充電時には、充電器からの電流によってリチウムイオンが正極から負極へ移動し、その逆の移動が放電時に起こります。この充放電の繰り返しがバッテリーの寿命に影響を与える大きな要因の一つです。

一般的に、電気自動車のバッテリー寿命は8年または16万キロメートルが目安とされていますが、実際には使用方法や環境によって大きく変わります。なお、バッテリーを交換する場合は、約40~90万円と高額な費用が必要になります。

バッテリーの寿命は何で決まるのか?

電気自動車のバッテリー寿命に影響を及ぼすポイントは、次のような要素です。

・充放電サイクルの適正管理
定期的な充電と適切な使用がバッテリー寿命を延ばすことが知られています。例えば、ある国産の電気自動車ではバッテリーの適切な管理によって、8年を超えても容量の80%以上を保持しているケースが報告されています。また、海外メーカーの電気自動車では、バッテリーの容量が新車時の90%以上を数年間維持していることを示すデータを報告するユーザーもいるようです。

・外部環境の影響
充放電サイクルの管理に加え、外部環境の影響も考える必要があるでしょう。気温の高い地域で使用される電気自動車は、涼しい地域で使用されるものよりもバッテリーの劣化が早い傾向にあります。

・充電状態の管理
バッテリーの充電状態を適切なレベルに保つことも、寿命延長に寄与します。バッテリーを常にフル充電の状態に保つのではなく、用途に応じて充電レベルを調整することが推奨されています。この調整によって、バッテリーのストレスを減らし、出力レベルを長く維持することが可能です。

これらの事例は、電気自動車のバッテリー寿命を最大限に延ばすためには、ただ単に充電するだけでなく、充放電のサイクル管理、外部環境への適応、および充電レベルの適切な管理が重要であることを示しています。

劣化を抑えたバッテリーの充電方法とは?

バッテリーの劣化を抑える充電方法にはいくつかのポイントがあります。まず、充電の目安としてはバッテリー容量の30%から80%の範囲を保つことです。過充電や過放電はバッテリーの劣化を早める原因となるので避けましょう。

また、急速充電の頻繁な使用もバッテリーに負担をかけるため、普段の充電はできるだけ標準の充電方法が推奨されます。さらに、電池が高温になる状況を避けることも劣化を防ぐためには必要です。具体的には、炎天下での長時間の駐車を避けたり、冷却機能がある場合はそれを適切に使用したりするなどの対策が挙げられます。

適切な充電と運転方法が長持ちのポイント

電気自動車のバッテリーを長持ちさせるためには、適切な充電と運転方法が欠かせません。充電は30%から80%の範囲を目安にし、急速充電の使用は控えめにしましょう。

また、バッテリーの過熱を避けるための工夫も大切です。これらのポイントを日常生活に取り入れることで、バッテリーの劣化を抑え、結果的にコストパフォーマンスのよい電気自動車ライフを実現できるでしょう。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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