まちの景観を次代に 「景観賞」決定! 市内の魅力的な景観を守り創る取り組みを顕彰/岡山・津山市

岡山県津山市内の魅力的な景観を守り、創る取り組みを顕彰する本年度「景観賞」が決まった。景観賞は建築物部門の「今井邸修理」(坪井町)、奨励賞に広告物部門の「津山温泉タイル画」(田町)、審査員特別賞に景観活動部門の「宮部川のホタルに学ぶ中正小学校の取組」が選ばれた。

今井邸は、城西重伝建地区東端の出雲街道沿いに1895(明治28)年築の東主屋と1913(大正2)年築の西主屋を構え、2005(平成17)年まで呉服店を営業。西主屋は重伝建選定前の09年、東主屋は22年に補助金を活用して修理された。広い間口を持つ2棟の主屋は往時の繁栄ぶりを今に伝えるとともに、町並みの景観向上に寄与している。

津山温泉タイル画は、地域住民に約70年間親しまれつつ2012年に閉館した銭湯の装飾で、製作は1955(昭和30)年ごろ。多治見焼のタイルに津山城と参勤交代の様子が描かれた風情漂う作品であり、大切に保全されている。

中正小学校の取組は、地区を流れる宮部川に生息するホタルの保全活動「ホタルの里調べ」、青空教室での授業、川や周辺の清掃などにより、児童たちの郷土愛醸成につなげている。

22日に市役所で表彰式があり、谷口圭三市長が代表者に賞状や楯を贈り「それぞれの分野で景観の維持に取り組み、地域の魅力を高めていただきありがたい。ぜひ次の世代に引き継いでほしい」と呼びかけた。

澁谷俊彦市景観審議会長らの講評に続き、今井邸戸主の今井督郎さん(67)は「重伝建の景観に少しでも貢献でき幸いに思う。築100年以上になるが、手を入れながらもう100年住み継いでいきたい」と話した。

同賞は市景観条例が施行された2016年度に創設され8回目。今回は計6件がエントリーし、市民投票(意見募集)と市景観審議会(澁谷俊彦会長、6人)の審査で選考した。各部門の受賞内容は3月8日まで市役所ロビーに展示。その後11日から22日までJR津山駅北口広場施設「にぎわい交流館」にも掲示される。

景観賞の表彰を受ける今井さん

© 津山朝日新聞社