お金?やりがい?あなたが働く理由は何ですか?これからの女性の生き方について『女性の品格』の坂東眞理子さんからのメッセージ

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今や共働き家庭が多い時代。働く理由は、お金だけではありません。その理由について、「たまひよ」アプリユーザーとこれからの働く女性に必要なことついて、昭和女子大学総長の坂東眞理子さんに聞きました。

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お金・やりがい・貯蓄etc. 私たちが働く理由

まずは、みんなの働く理由や目的についてご紹介します。

■自由になるお金が欲しい!
「夫だけの収入だと、家のローンや養育費が心もとないため。子どもは大学へも行かせたいし、習い事もさせたい! あとは、自分で自由に使えるお金が無いことが、私のストレスになるからです」(ひらてんさん)

■なりたい職業がある
「一番は私が働いていないと嫌な性格であり、かつなりたい職業があるからです。もうひとつは、子どもから自慢してもらえるようなお母さんになりたいからです」

■子育てと同じくらい仕事は大事
「働く時間の中で学びがたくさんあるからです。働いていないと自分はそういう学びを得られないまま年老いていくのでは?と思ってしまうことが…。もちろん専業主婦でも学びが無いことは決してないし、それぞれの良さや大変さがあると思う。今のところ自分にはワーキングママスタイルの方が合っていると思うので働き続けたいです。子育てと同じくらい仕事は大切」(まゆ)

■固定収入を得るため
「夫の収入が不安定なため、固定収入を得るために働いています。子どもが小さいうちはそばにいたいのですが、金銭面的にフルタイムもやむなし状態です」(空)

■対等にいたいから
「働く理由は、夫と対等でいたいから。あとは自分のためにお金を使いたいのと、家を建ててしまったからです」(おりょう)

■生活のためだけじゃない
「働かないと生活が成り立たないからです。でも、それだけではなくて、やりがいのある仕事なので、その仕事をしていないと自分じゃなくなる気がします」(みーこ)

■将来のためのお金を貯めたい
「働くことが好きなのと、将来のためにお金を貯めたいため。また親が病気なので、金銭的にサポートをするためです」(れおん)

■自分の世界を誇りに
「母でも妻でもない存在として、仕事だけで得られる自分の世界や誇りがあると思います。それを大事にしていきたいなと」(わふわふ)

長く働き続けるためには、“自分への投資”が大事

働くママの大先輩であり、女性の生き方についての著書も多い、昭和女子大学総長の坂東眞理子さんに聞きました。

「働くことが好き、家族や将来のためなど、目的や誇りを持って、みなさん仕事をされていますね。今は子育て真っ最中ですから、仕事と家庭の両立の不安や、仕事に全力投球できないことへの歯痒さを感じることがあるかと思います。

しかし、今は子育ての大事な時期ですから、焦らず次のライフステージへの準備期間として捉えるといいのではないでしょうか。
これからは、60代、70代になっても働き続けることが当たり前になり、女性も社会の担い手として活躍できるチャンスがたくさん出てきます。将来を見据えて今から少しずつ準備しておくことが大切です。

今は難しいかもしれませんが、少し時間の余裕が持てるようになったら、『自分への投資』をはじめましょう。
子育て中はとにかく時間がありませんし、教育費が必要な時期は貯蓄や節約といったことを優先しがちです。けれども、その一部を自己投資に使って欲しいのです。
まず、『キャリアアップのための学び』への投資です。資格取得や興味のある仕事・起業の勉強、大学院などで学ぶことです。今は、オンライン授業もあるので、学びをスタートしてみるといいと思います。

最初は、途中で挫折しないためにも短期間で資格取得できるものや、達成感を実感できるものからチャレンジするのがオススメです。資格などの中には、国や自治体から補助金が出るものもあるので調べてみてはいかがでしょう。

次に、『見た目資産』への投資です。これは見た目の装いを変えるということではなく、働き続けるための健康への投資です。ジムやヨガ、ウォーキング、ストレッチなどで体力をつけておくことは必須です。もちろん、年齢や子育てを言い訳にせずに、見た目も若々しく保つことも忘れずに!

時間がないという人は、パートナーや家族に頼るだけでなく、家事代行サービスやベビーシッター、ファミリーサポートなどを利用しましょう。サービスを利用することは、自己投資のための必要経費として割り切ってもいいと思います。

そして、どんどん新しい場所に身を置いて欲しいと思っています。子育て中は職場と家庭の往復になりがちです。いつも同じ場所、同じ人の中にいるだけでは、新しい自分を発見することや、新しい人との出会いが少なくなります。勉強会やボランティア、副業、趣味など、新たな人と出会う機会をつくることも大事です。
さらに、これからは『新友』をつくりましょう。『新友』とは、新たな仕事や出会いに繋げてくれる、紹介してくれるような人のことです。
思い切っていろんな場所に行き、新しいネットワークを構築していくことも、長く働き続けるためには必要です」(坂東眞理子さん)

坂東眞理子さん

プロフィール)
昭和女子大学総長。東京大学卒業後、総理府(内閣府)に入省。埼玉県副知事、在オーストラリア連邦ブリスベン日本国総領事などを歴任。内閣府初代男女共同参画局長を務め、2003年に退官。2004年に昭和女子大学教授、同大学長を経て、現職。ベストセラー『女性の品格』(PHP研究所)のほか、『やわらかい知性』(河出新書)、『思い込みにとらわれない生き方』(ポプラ社)など女性の生き方のヒントとなる著書多数。

※文中のコメントは「たまひよ」プリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2023年12月の情報で、現在と異なる場合があります。

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