17年ぶりに進化した修正液が何を今さらと侮れない快適さ! 速乾と幅広ペン先に進化した「ホワイトスピード」の実用性を検証

By きだてたく

思い返せば、最後に修正液で誤字を直したのはいつだっただろうか……下手すると10年以上は昔かもしれない。自分用ノートの誤字はだいたい二重線で消すし、どうしても書き直したい場合には修正テープを使う。正直な話、訂正する際に「修正液」という選択肢があるのを忘れていたぐらいである。

それなのになぜ急に思い出したかと言うと、ぺんてるから17年ぶりに修正液の新製品が出た、という話を耳にしたからだ。果たして、今出る新製品の修正液にどれほど価値があるのか? なんて疑ってしまったのだが……いや、しかし使ってみるとこの新しい修正液、かなり面白いぞ!?

最新型修正液は修正テープと液のいいとこどり!?

そもそも修正液には、大きなネガティブ要素がいくつかあるように思う。「塗って乾くまでに時間が掛かる」「塗りむらができやすい」「厚塗りになるとひび割れる」「ペンタイプだと広い面積を修正しづらい」といった部分がそれだ。修正テープを使えば、それらの問題が一発で解決できるのだから、取って代わられるのも当たり前と言えるだろう。何より、仕上がりもきれいだし。

それに対して「修正テープと液のいいとこどり」を謳うのが、話題の新製品こと、ぺんてるの新型修正液「ホワイトスピード」である。つまり、乾燥が早くて、塗りむらができず、厚塗りにならずひび割れもせず、ペンタイプなのにテープのような幅を一気に塗ることができて、さらに修正テープには難しいこともこなしてしまう、というわけ。もしこれが本当だとしたら、修正液の復権も充分にあり得るのではないだろうか。

ぺんてる
ホワイトスピード 400円(税別)

早速試してみた。まず最初に驚いたのは、これまでにないユニークな幅広ペン先だ。軸をカチャカチャ振って液を攪拌したら、三つ叉になっているペン先の中央を修正したい文字の頭にグッと押し当てる。すると中から修正液がドバッと出てきて、三つ叉の両サイドいっぱいまで一気に広がるのだ。あとは、ペン先を押し当てたままでペン先をスライドさせてやると、まるでテープのように修正液が塗り広げられる、という仕組みだ。

↑「中央の吐出口からドバッと出た修正液を、左右のヘラ状パーツでちょうど良い幅に調える」という面白い方法で塗り広げるペン先

このペン先の性能はかなり優秀で、塗り広げられた液は厚塗りになりにくく、ムラがない。薄く均一に伸びるので、一見してテープを引いたように見えるほどである。液体なので、曲線を塗ったり、1文字だけ修正したりすることも簡単にこなせる。この点は、明らかに修正テープよりも優れた要素と言えるだろう。

↑ひと塗りで液幅は約4.5mm。一気に広く塗れるのでムラにもなりにくい
↑カーブも自由に描けるので、修正だけでなく画材としても役立つかも

液が薄く広がるのに加えて、乾燥に要する時間も従来の半分と大幅に短縮されている。さすがに「塗ってすぐ」というレベルではないが、塗って、キャップを戻して、書き直しのためにボールペンに持ち替えて……ぐらいのタイミングでなら充分に乾いているはず。

また、乾いてもある程度の柔軟さが維持されるようで、修正した部分を紙ごと折り曲げても割れたり砕けたりしにくい。これは既存の修正液と比べてかなり驚かされる部分だ。

↑紙を折っても修正箇所がひび割れないのは安心感が高い

テープよりこちらを選ぶ価値は充分あり!

修正後の隠ぺい力に関しては、事前にきちんと攪拌さえできていれば、なんの不満もないレベルだ。この辺りは、ずっと修正液を出し続けていたぺんてるならでは、というところだろう。

さらに、薄くムラなく塗れるため、修正した上から書き込みを行っても、デコボコした感じがないのもポイント。インクのノリも充分で、油性・水性・ゲルインクどれでも問題なく追記することができたし、そこだけ可読性が落ちるようなことも無かった。

↑表面がデコボコしないため、修正後の上書きもサラッと書ける
↑キャップは二重キャップになっており、それなりに密閉性が確保されている

使用してみた正直な感想は、この性能であれば「修正テープよりこっちがいい」というケースも充分に考えられるかも、ということ。テープよりも塗り方に応用が利く分、むしろこっちのほうが使いやすく感じるぐらいだ。さすが17年ぶりの新製品だけあって、進化の度合いはかなりのものである。

ただし、乾燥が速い=ペン先の詰まりは起きやすい。できれば毎使用後にきちんとペン先を拭うか、細い綿棒で掃除することをおすすめしたい。

↑使用後にペン先を拭き取っておかないと、あっという間に目詰まりを起こしてしまう。こればかりは少し手間かも……?

繰り返し使用するうちにペン先の手入れを手間に感じてくるか、それとも「この性能だから仕方ないか」と受け入れられるようになるか、しばらく使って試してみたい。

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