ミッキーなら怖くない…? 最近のひな人形事情、キーワードは「淡い色」「コンパクト」そして「キャラクター」

人気が高まっているキャラクターのひな人形=19日、鹿児島市のトイザらス・ベビーザらス鹿児島店

 3月3日の桃の節句を前に、鹿児島市内の販売店ではひな人形商戦が終盤を迎えている。住環境の変化とともに、場所を取らないコンパクトな商品が伸びており、今年は淡い色の着物が人気だという。キャラクターの人形や壁掛け式などインテリアとしてなじむ仕様も増えている。

 鹿児島市のトイザらス・ベビーザらス鹿児島店ではクリスマス後から35種類のひな人形を売り出した。子どものいたずら防止や扱いやすさから、ケース入りの飾りが販売数全体の8割を占め、早々に売り切れる商品も。円形のケースや背面に花飾りがあしらわれているもの、キャラクター商品などの売れ行きが伸びており、8万円前後が売れ筋だという。

 同店の渡辺隆史店長(45)は「祖父母と一緒に3世代で買いに来るお客さまが多い。キャラクターものは子どもが怖がらないという理由もあって人気」。

 山形屋(同市)ではケース飾りが2割、飾り台に一式が収納できる「収納飾り」が4割と2種がよく売れる。スペースを取らない壁掛け式の商品も年々増えている。担当者によると、祝い事の文化を重んじる客が多く、予算は決めず人形の顔や着物の色など、気に入ったものを購入する傾向がある。

 「半数以上が収納飾りで、昔ながらのものはほとんど出ない」と話すのは人形処みやび(同市)の福永良太社長(54)。同社では約350種類のひな人形を取りそろえる。近年はコンパクトさが重視され、幅60センチ・奥行き30センチほどの商品が主流になった。立春ごろから飾るのが通例のため、1月中旬から下旬が販売のピークという。

 少子化が影響し、購入者は少しずつ減っているものの、例年約300セット売れる。姉妹で1セットの家庭が多かった以前と比べ、子ども1人に1セット購入する家庭が増えた。平均単価は13万円ほど。「くすみカラー」といわれる淡い色使いの人気が高い。

 福永社長は「ただの季節飾りではなく、子どもの健康を祈るという文化的な意味合いを大事にしてもらえたら」と話した。

今年人気の淡い色でまとめたひな人形=15日、鹿児島市の人形処みやび
色とりどりのひな人形が並ぶ店内=15日、鹿児島市の人形処みやび

© 株式会社南日本新聞社