ビスケットは水戸藩発祥? 江戸伝来「ビスコイト」展示 記念日前に催し 茨城・水戸

江戸時代の伝来当時のビスケットを再現した「ビスコイト」の硬さを確かめる来場者たち=水戸市内原

ビスケット発祥の地とされる茨城県水戸市で24日、「ビスケットの日」(2月28日)にちなんだ催しが開かれた。同市内原のイオンモール水戸内原で、水戸藩士の日記を基に試作した「ビスコイト」を展示。研究者による解説も行われ、来場者は普段食べているお菓子と水戸藩との意外なつながりに驚きを感じている様子だった。

全国ビスケット協会によると、同藩蘭医の柴田方庵が長崎留学中、保存が効く食料としてビスケットに注目。オランダ人にレシピを学び、作り方を記して1855年2月28日、同藩へ送った。これが日本最古の記録とされ、この史実から同協会が同日を「ビスケットの日」と定めたという。

この日、方庵が記した「方庵日録」を基に、当時のレシピで再現したビスケットや、紀元前にまでさかのぼって起源を紹介するパネルを展示。記念セレモニーで、県立歴史館の永井博特任研究員が「方庵がレシピを送った背景には、軍備食の開発に注力していた水戸藩9代藩主徳川斉昭の指示があったと考えられる」などと説明した。

このほか、ビスケット類の専業メーカー、イトウ製菓(東京)が直径13センチの「でかビス」を配布するなどして記念日をPRした。

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