「『昨日のまま蹴れれば』という思いでボールをセット」 G大阪FW宇佐美貴史が起死回生の華麗FKで2年連続開幕ゴール 

[写真:©超ワールドサッカー]

ガンバ大阪のエースで、主将で、背番号「7」を背負う男がチームを最低限の結果に導いた。
【動画】G大阪キャプテンが開幕戦から完璧FK! チームにとって起死回生の一撃に

ダニエル・ポヤトス体制2年目のG大阪は24日の明治安田J1リーグ開幕節でFC町田ゼルビアのホームに乗り込み、1-1のドロー。2年連続のドロー発進だが、開幕黒星という最悪の事態を回避した。

主将2年目の宇佐美貴史は1点を追いかける55分に指揮官が一挙に切った交代3枠の一手としてピッチに立つと、84分にバイタルエリア中央の左寄りから直接FK弾。鮮やかな一撃が勝ち点1に繋がった。

まさに千両役者の宇佐美だが、チームとして露呈した相手の土俵に乗っての戦いぶりを「町田のペースにズルズルと引っ張られている感じ」と振り返った。

引き分けという結果にも「勝てたゲームだった」ときっぱり。敵地で最低限の結果ともいえるが見方もできるが、3年連続で残留争いが続く状況もあってか、あえて厳しいスタンスをとった。

「ここで負けなかったこと、勝ち点1をとれことでポジティブになるのも大事だけど、勝てなかったことで危機感を募らせるのが今のチームにとって大事だと思う」

「負けなかったと一回リラックスするのではなく、勝ち切れなかったというところで緊張感を煽っていく方がいいかなと僕は感じる」

一方で、自身が入ってからは相手が数的不利というのもあったが、裏抜けも繰り返し、チームの攻撃を活性化。「相手を後ろに引っ張っていけば、自分たちのペースになると思ってやった」と述べた。

そんな31歳FWだが、相手の壁上から綺麗に巻いてゴール左角に突き刺したFK弾は絶品ゴールに。しかも、相手はG大阪ユースの後輩、谷晃生だ。

先の開幕イベントで「彼からゴールを取って、悔しがる晃生を見たい」と話した宇佐美からすると、宣言どおり。谷からは「さすがです」との声もあがったが、2年連続の開幕ゴールとなる起死回生弾をこう回想した。

「晃生がどうのこうのというよりは自分の思うところに蹴れれば入ると思ったし、前日の練習でいい感触でFKを蹴れてもいた。『昨日のまま蹴れれば』という思いでボールをセットした」

宇佐美個人にとっても、開幕戦でのサブスタートは悔しいはずだが、絶品FKで存在価値をアピールする今季のチーム第一号。プレーぶりからは状態の良さをうかがわせ、次節のホーム開幕戦となる3月2日のアルビレックス新潟戦では勝利を目指す。

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