大事な「備え」学ぶ 岩手県教委 復興教育絵本第3弾

県教委が「そなえる」をテーマに制作した復興教育絵本第3弾「だいじなもの」

 県教委は、復興教育を推進するため、未就学児を対象とした絵本の第3弾「だいじなもの」を制作した。今回のテーマは「そなえる」。2人の幼い子どもが非日常の世界でさまざまな困難を克服するストーリーで、災害への備えの大切さを伝えている。

 県教委が2012年度から取り組む「いわての復興教育」の一環。就学前から復興教育の準備をしようと、2021年度は「いきる」、22年度は「かかわる」をテーマに絵本を制作した。

 「だいじなもの」は、主人公の「のんくん」と「みーたん」が不思議な世界に迷い込み、不安や空腹、寒さなどの困難に直面しながらも、勇気を出して助け合い、元の世界に戻る物語。郷土芸能の鹿(しし)踊りがモチーフの森の守り神「ごんごん」も登場し、共に困難を乗り越えていく中で、明かりや水、食料などの大切さを学ぶ。

 絵本はA4判、32ページ。今年度中に県内の幼稚園や保育所、小中学校、県立学校、大学、図書館、読書ボランティア団体、伝承施設など約3700カ所に1万2500部を配布するほか、県ホームページにも掲載する予定。

 県教委学校教育室の多田拓章復興教育課長は「絵本を通じて地域の良さに気付き、友達との助け合いなどを身に付けるとともに、物語が終わった後に『他にどんな物があったら良かったか』などを話し合うことで、次の備えに生かしてもらいたい」と話している。

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