伝統工芸と自動車技術融合 規格外品再活用しCN製品 奥州、北上3社

カーボンニュートラルの取り組みとして、伝統工芸と自動車技術を融合させて生まれた「三人掛けソファ」

 奥州市江刺の桜木家具店(高橋勇人代表取締役社長)と第一物産岩手工場(千葉正美工場長)、北上市相去町のトヨタ紡織東北(坂本真也取締役社長)の3社は、カーボンニュートラル(CN)に基づく新製品として、自動車用シートの製造過程で必要不可欠に生じる規格外品を再利用した「三人掛けソファ」を開発した。伝統工芸の岩谷堂箪笥(たんす)の技巧を凝らした格調高い仕上がりで、同家具店で受注生産する。

 自動車内外装部品を製造しているトヨタ紡織東北で、これまで廃棄していたシート用ウレタンの規格外品を、自動車用シートクッションの製造も手掛ける第一物産岩手工場で再生し、桜木家具店で職人が作り上げるソファの座面と背もたれに使用。骨組みとなるケヤキ材に漆を塗って飾り金具を施すなど、伝統工芸の技と自動車技術の融合が図られた。

 3社は「CNインテリア―自動車技術と伝統工芸プロジェクト」を立ち上げて、足かけ3年取り組んできた。自動車用廃棄物のうちウレタンを活用した新製品開発は業界初といい、愛知県で1月下旬に開かれた「とうほく・北海道 新技術・新工法展示商談会」(とうほく自動車産業集積連携会議など主催)に試作品を出展して話題を呼んだ。

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