武士道「バランス大事」 茨城・潮来で講座 児童ら甲冑触れる

演武を披露する埴原有希士代表理事=潮来市牛堀

茨城県潮来市牛堀の市立図書館で18日、「武士道講座」が開かれた。小学生や保護者ら約40人が参加。和文化教養普及協会の埴原有希士代表理事(38)を講師に招き、戦国・江戸時代の武士道の多様性などを学んだ。

戦国時代に使われていた当世具足姿で登場した埴原代表理事は、冒頭でやりや刀などを使った演武を披露。「武士道」の説明では、「戦国時代は『立身出世』、江戸時代以降は『清貧』と、意味合いが異なる」と、時代によって変化すると指摘した。

また、武士道は、それぞれの家や地域に伝わっているもので、「統一された見解はない」と紹介。その上で、多くの考え方で共通する教えとして、「中庸」と「太刀(断ち)」を挙げ、「何事にもバランス良く、甘えや弱い気持ちを断つことが大事」だと語った。

講座の最後には、用意した甲冑(かっちゅう)や火縄銃などを触る時間が設けられ、子どもたちは興味深そうに眺めたり、手に持ったりしていた。

潮来小5年の石橋遼君(11)は「戦国時代が好きなので参加した。自分も『中庸』を大事にして、勉強と遊びのバランスを取って生活したい」と話した。

埴原代表理事は、日本を訪れる外国人は武士道に興味を持っているが、日本人に説明できる人が少ないとし、「武士道も多様性があるということを知ってほしい。日本の文化に触れるきっかけになれば」と語った。

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