●鋭い寄せ、伊藤七段破る
将棋の藤井聡太棋王(21)=竜王・名人・王位・叡王・王座・王将・棋聖との八冠=に、伊藤匠七段(21)が挑む第49期棋王戦コナミグループ杯(北國新聞社主催、協賛社・大塚製薬)5番勝負の第2局は24日、金沢市の北國新聞会館で指された。開始から9時間28分、後手の藤井棋王が94手で伊藤七段を制し、初防衛へ一歩前進した。
初白星を懸けた第2局は互いに角を交換する「角換わり」となり、序盤は両者とも早いペースで指し進めた。午後は互いに長考の応酬となる中、藤井棋王が攻防に利く2枚の角で自陣に厚みを築いた。伊藤七段は守りの駒を攻めに動員して陣形を崩しに掛かったが、藤井棋王が的確に切り返し、鋭い寄せを決めた。
伊藤七段は「72手目の5五角で指し手に困り、形勢が厳しくなった」と悔やんだ。持ち時間は各4時間で、消費時間は伊藤七段3時間47分、藤井棋王3時間41分。第3局は3月3日、新潟市の新潟グランドホテルで指される。
●最後に迫れる形に 藤井聡太棋王
途中から受ける(守る)展開になり、玉が薄いので、頑張れるかどうかと思っていた。相手の竜を抑え込んで多少受けが利くようになり、流れが良くなった。最後は、先手玉に迫っていける形ができたので1手勝てそうかなと考えていた。