インドは本当に中国に代わって世界の工場になれるのか―仏メディア

23日、仏RFIは「インドは本当に中国に代わって世界の工場になれるのか」と題して仏紙ル・モンドのコラムを紹介する記事を掲載した。写真はムンバイ。

2024年2月23日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは「インドは本当に中国に代わって世界の工場になれるのか」と題して仏紙ル・モンドのコラムを紹介する記事を掲載した。

記事によると、同紙は22日に掲載したコラムの中で、グーグルは新型携帯電話Pixel8を、サムスンはGalaxyS24をそれぞれインドで生産することを発表し、米テスラのイーロン・マスク氏もインドでの電気自動車工場設立を検討していることを明かしたと紹介し、このような情報にインド人は興奮、歓喜しており、世界のバリューチェーンで中国と競争することへの期待を高めているとした。

また、米アップルも17年からインドでローエンドのiPhoneを組み立てを始め、22年にはiPhone14、15といった最新モデルのインド生産を開始したと紹介。現在、世界で販売されるiPhoneの12~14%がインドで製造されており、年末までには25%まで高まる見込みだと伝えた。

そして、モディ首相は14年の独立記念日演説で「全世界に対し、インドでモノを作ろうと呼びかけたい」と発言するなど、かねてより自国を世界の新しい工場にしたいと考えていたと指摘。20年にはスマートフォンや医療製品など14の主要生産分野を対象とした「生産連動インセンティブ」を導入し、220億ドル近い輸出補助金を出したと紹介した。

一方で、専門家からは「インドが中国に取って代わるという考えは常に出てくるが、世界のバリューチェーンを見ると、中国と同じ土俵にすら立っていない。中国からその座を奪えるのは、iPhoneにおいてのみだ」という否定的な見方も出ているとした。

その上で、インドが中国と真に競争するために克服すべき課題を指摘。インドのインフラや電力供給体制が未発達であること、エリート技術者を要する一方で識字率が低く一般労働者が不足していること、さらにはインド政府が「国産化促進のためのノートパソコン輸入制限」など介入主義的な政策をしばしば打ち出して投資家の熱意に冷水を浴びせることなどを挙げた。(翻訳・編集/川尻)

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