化学物質の自律的管理で指針 実験事故防止へ管理方針示す 国立大学協会

(一社)国立大学協会は、「大学の自律的化学物質管理ガイドライン」の改訂版をまとめた。化学物質管理者の選任義務化など今年4月からの労働安全衛生規則改正を踏まえたもので、
研究室などで化学物質を取り扱う教職員、学生の安全確保に向けた基本的な考え方を示している。実験中の事故については、薬傷など急性の有害性や火災・爆発が多い傾向があり、有害性だけでなく物理的危険性への対策が必要になるとした。また、後片づけや廃棄中の事故率が高く、実際の事故に基づいたリスクアセスメントの実施が必要としている。

ガイドラインでは、「ほとんどの大学が化学物質管理者の選任が必要になると考えられる」としており、大学として法令上の選任義務を満たすだけでなく、研究室単位での化学物質管理あり方を考えるよう方針を示した。通知義務対象物やリスクアセスメント対象物についての周知体制の整備、現在使っている保護具の耐薬品性の調査や実験者に対する保護具着用の徹底とともに、理系学生に対して、使用する化学物質のリスク評価が可能となるレベルの教育を行うことなどを勧めている。

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