40代の「約40%」がビジネスマナーを教わった経験がない!? 「あいさつ」と「敬語」が使えていれば問題ない? 出世にも影響はあるの?

すべての世代で重要視されているビジネスマナーは?

そもそもビジネスマナーとは何を指すのでしょうか。ビジネスマナーの明確な定義はありませんが、ここでは人間関係の構築やコミュニケーションを円滑に行うことができる手段、もっと簡単にいえばお互いが気持ちよく仕事するためのルールをビジネスマナーと考えます。

転職サイトを運営しているエン・ジャパンのビジネスマナーに関する調査レポートによると、全世代で重要だと思う割合が60%を超えているビジネスマナーは「言葉遣い(敬語)」「挨拶(あいさつ)」「報告・連絡・相談」「服装・身だしなみ」となっていました。

「ビジネスマナーってそんな簡単なことなの?」と感じるかもしれません。確かにビジネスというよりも一般常識に近い内容です。ビジネスマナーというと、名刺交換や会議室での座る位置(上座・下座)などをイメージするかもしれませんが、実際に会社で働く上では、そのようなことよりも基本的なマナーが重視されるのです。

図表1

エン・ジャパン株式会社 8000人に聞いた「ビジネスマナー」に関する意識調査レポート

若い世代ほどビジネスマナーを教わる機会が少ない傾向にある?

同調査レポートによれば、若い世代ほどビジネスマナーを教わる機会が少ない傾向にあるようです。これは、近年のコロナ禍によるリモートワークの普及で、直接的な対面の機会が減ったことが影響している可能性も考えられます。

ただし、先ほど紹介した重要と感じるビジネスマナーである言葉遣いやあいさつ、身だしなみなどは、そもそも会社で教わるような内容ではありません。そんなことは会社で上司や先輩からは教わらなかったといってしまっては恥ずかしいですね。

図表2

エン・ジャパン株式会社 8000人に聞いた「ビジネスマナー」に関する意識調査レポート

まとめ:ビジネスマナーは出世に影響するのか?

若い人が名刺の受け渡しに慣れていなかったり、取引先との打ち合わせで社内の人間を「~さん」と紹介したりしたとしても、相手の方はそれほど気にしませんし、むしろ温かい目で見てもらえることが多いでしょう。筆者も会社員時代に部下をもっていましたが、このようなことで部下の評価を下げることはありませんでした。

このようなテクニックよりも、重要なのはやはり言葉遣いやあいさつ、身だしなみといった基本的なマナーです。会社の仕事は1人で全てを進めていくわけではありません。ビジネスでは人との関係が重要な要素になります。基本的なマナーを欠いた人は信頼されず、組織の人間関係を悪化させることもあります。

出世をするにつれ、個人の結果からチームや組織の結果が求められることが多くなります。そのため、チームのコミュニケーションを円滑にするビジネスマナーは出世にも影響する重要なスキルになるといえるでしょう。

出典

エン・ジャパン株式会社 8000人に聞いた「ビジネスマナー」に関する意識調査レポート
job総研 2024年 ビジネスマナー実態調査

執筆者:御手洗康之
AFP、FP2級、簿記2級

© 株式会社ブレイク・フィールド社