オタネニンジン産地再興始動 福島県会津美里町で高校生ら種まき

コンテナの土にオタネニンジンの種をまく生徒

 オタネニンジン(会津人参)の産地再興を目指す福島県会津地方の関係団体は22日、会津美里町の「新鶴温泉んだ」で種まきを行い、共同栽培によるプロジェクトを始動した。

 産地再興プロジェクトには新鶴温泉んだ、会津農林高地域創生科(会津坂下町)、清水薬草店(喜多方市)、会津伝統野菜(会津若松市)が参加。県会津農林事務所会津坂下農業普及所、県農業総合センター会津地域研究所が技術指導する。

 種まきには会津農林高生ら約20人が参加し、コンテナに約千個の種をまいた。新鶴温泉の菅家薫さんは「会津の重要な伝統野菜を守っていく」と思いを語った。今後は順次数を増やし、成長観察を続けながら、まずは2年ものの食用として収穫を目指す。

 オタネニンジンは漢方の代表的な生薬として知られ、会津地方では江戸時代から栽培されてきた。近年は生産者の高齢化が進んだことなどから、栽培面積はピークだった1993(平成5)年の165ヘクタールから現在は3ヘクタールに激減している。

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