中国、関係改善に向けた対米「パンダ外交」を再開か―独メディア

22日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国が米国に対して「パンダ外交」を再開する動きを見せていると報じた。

2024年2月22日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国が米国に対して「パンダ外交」を再開する動きを見せていると報じた。

記事は、中国国営の新華社通信が22日に報じた内容として、中国野生動物保護協会がこのほど、スペインのマドリード動物園、米国のサンディエゴ動物園とジャイアントパンダの貸与に関する協力協定を締結したほか、ワシントンの国立動物園やオーストリアのシェーンブルン動物園とも新たな協力交渉を進めていると紹介。サンディエゴ動物園関係者が「早ければ今年の夏の終わりには、オスとメスの2頭のパンダが到着する見込みだ」と明かしたことを伝えた。

その上で、中国は長年にわたりパンダを親善大使として世界中の動物園に貸し出す「パンダ外交」を続けてきた一方で、米国へのパンダ貸与の流れは年々減少してきたと指摘。昨年11月にはワシントン国立動物園で飼育されていた3頭のパンダが中国に返還され、現在ではジョージア州のアトランタ動物園で4頭飼育されているのみになったとし、この4頭も年内に貸与期限が切れることから、新たな貸与の動きがなければ1972年のニクソン訪中後に中国政府が米国に2頭のパンダをプレゼントして以来、約50年ぶりに米国内からパンダが消えることになると説明した。

記事はまた、中国野生動物保護協会が先日、微信(WeChat)アカウントを通じてすでに海外の複数の動物園とパンダ貸与に関する合意に達し、署名したことを明らかにしたほか、中国外交部の毛寧(マオ・ニン)報道官も22日にパンダ貸与の動きが事実であることを認めるとともに「関係国とのパンダに関する新たな保護協力が、絶滅危惧種の保護に関する科学的研究成果をさらに拡大し、人と人との交流や友好を促進するよう期待する」と述べたことを伝えた。

記事は最後に、中国が米国との「パンダ外交」再開の動きを見せた背景として「米中両国はこの1年、地域紛争や貿易戦争、スパイ疑惑などさまざまな問題によって対立を深めてきた一方で、両国首脳はここ数カ月の間に複数回会談の機会を持ち、緊張緩和にも乗り出している」と紹介した。(翻訳・編集/川尻)

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